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03月03日-一般質問-05号

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  1. 新潟県議会 2022-03-03
    03月03日-一般質問-05号


    取得元: 新潟県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    令和 4年  2月定例会 本会議令和4年3月3日(木曜日)  議事日程 第5号    午前10時 開議第1 第50号議案から第75号議案まで第2 請願第1号及び第2号第3 陳情第1号から第17号まで第4 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件 日程第1  第50号議案 令和3年度新潟県一般会計補正予算  第51号議案 令和3年度新潟県県債管理特別会計補正予算  第52号議案 令和3年度新潟県地域づくり資金貸付事業特別会計補正予算  第53号議案 令和3年度新潟県災害救助事業特別会計補正予算  第54号議案 令和3年度新潟県国民健康保険事業特別会計補正予算  第55号議案 令和3年度新潟県母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計補正予算  第56号議案 令和3年度新潟県中小企業支援資金貸付事業特別会計補正予算  第57号議案 令和3年度新潟県林業振興資金貸付事業特別会計補正予算  第58号議案 令和3年度新潟県沿岸漁業改善資金貸付事業特別会計補正予算  第59号議案 令和3年度新潟県有林事業特別会計補正予算  第60号議案 令和3年度新潟県都市開発資金事業特別会計補正予算  第61号議案 令和3年度新潟県港湾整備事業特別会計補正予算  第62号議案 令和3年度新潟県電気事業会計補正予算  第63号議案 令和3年度新潟県工業用水道事業会計補正予算  第64号議案 令和3年度新潟県工業用地造成事業会計補正予算  第65号議案 令和3年度新潟県新潟東港臨海用地造成事業会計補正予算  第66号議案 令和3年度新潟県病院事業会計補正予算  第67号議案 令和3年度新潟県基幹病院事業会計補正予算  第68号議案 令和3年度新潟県流域下水道事業会計補正予算  第69号議案 県の行う建設事業に対する市町村の負担について  第70号議案 新潟県行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の一部改正について  第71号議案 新潟県県税条例の一部改正について  第72号議案 財産の取得について(新潟県LANシステム用モバイルコンピュータ)  第73号議案 財産の取得について(タブレット端末等)  第74号議案 損害賠償額の決定及び和解について  第75号議案 指定管理者の指定について(新潟ユニゾンプラザ) 日程第2  第1号 翡翠を新潟県の石に指定することを求めることに関する請願  第2号 子どもたちにゆきとどいた教育を!30人以下学級の実現、教職員定数の増加及び教育予算の増額を求めることに関する請願 日程第3  第1号 対外的情報省を設立し、横田空域の返還を求める意見書提出に関する陳情  第2号 対外的情報省の設立を求める意見書提出に関する陳情  第3号 こどもの新型コロナウイルス感染症罹患後と同ワクチン接種後の健康状態調査を求めることに関する陳情  第4号 薄型信号機等と新潟市中央区万代交番の移転是正を求めることに関する陳情  第5号 コロナ感染拡大防止策を求めることに関する陳情  第6号 新型コロナウイルス感染症を「5類」へ変更の声を上げることを求めることに関する陳情  第7号 園・学校での児童のマスク着用に関する陳情  第8号 園・学校での児童のマスク着用に関する陳情  第9号 PCR検査に関する陳情  第10号 「感染者数」報道、広報のありかたに関する陳情  第11号 20歳以下の新型コロナワクチン接種に関する陳情  第12号 新型コロナウイルス感染症患者、関係者、特にワクチン非接種者への差別を禁止する条例制定、その他関連する2項目に関する陳情  第13号 新型コロナウィルス感染症の広報に関する陳情  第14号 新型コロナ感染症に関して、新潟県が検査陽性者を感染者と報道、HP上で示しているが、これは科学的に不正確な表現なので訂正することを求めることに関する陳情  第15号 新型コロナ感染症に関して、感染者動向を浜松市のように定期的に分かりやすく示すことを求めることに関する陳情  第16号 新潟県における新型コロナウイルスワクチンの接種後の副反応の状況の公表と予防接種健康被害救済制度の周知を求めることに関する陳情  第17号 新潟市秋葉区矢代田地内に整備計画中のライフル射撃場の計画見直しを求めることに関する陳情 日程第4 県政に対する一般質問(安沢峰子君、遠藤玲子君、青木太一郎君、小島義徳君、飯野晋君)   ――――――――☆――――――――出席議員(50名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  中 川 隆 一 君  高 見 美 加 君          保 坂 裕 一 君  与 口 善 之 君  斎 京 四 郎 君  中 村 康 司 君          松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君  宮 崎 悦 男 君          青 柳 正 司 君  皆 川 雄 二 君  小 林 一 大 君  冨 樫 一 成 君          楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君  佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君          岩 村 良 一 君  沢 野   修 君  尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君          小 野 峯 生 君  帆 苅 謙 治 君  渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君          樋 口 秀 敏 君  小 島   晋 君  池 田 千賀子 君  上 杉 知 之 君          大 渕   健 君  長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君          杉 井   旬 君  重 川 隆 広 君  秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君          市 村 浩 二 君  安 沢 峰 子 君  遠 藤 玲 子 君  星 野 伊佐夫 君          青 木 太一郎 君  佐 藤 浩 雄 君  小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君          渡 辺 和 光 君  飯 野   晋 君議員以外の出席者  知事           花角 英世 君  副知事          佐久間 豊 君  副知事          橋本憲次郎 君  知事政策局長       小岩 徹郎 君  総務管理部長       森永 正幸 君  県民生活・環境部長    村山 雅彦 君  防災局長         熊倉  健 君  福祉保健部長       松本 晴樹 君  産業労働部長       佐野 哲郎 君  観光局長         妹尾 浩志 君  農林水産部長       小幡 浩之 君  農地部長         登り 俊也 君  土木部長         金子 法泰 君  交通政策局長       佐瀬 浩市 君  会計管理者兼出納局長   綱島 知子 君  病院局長         藤山 育郎 君  企業局長         桑原 勝史 君  教育長          稲荷 善之 君  人事委員会事務局長    川上 克也 君  警察本部長        村田 達哉 君  労働委員会事務局長    須貝 幸子 君  監査委員事務局長     山田富美子 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(佐藤純君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 第50号議案から第75号議案まで ○議長(佐藤純君) 日程第1、第50号議案から第75号議案までを一括して議題といたします。 提出者の説明を求めます。花角知事。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) ただいま上程されました議案26件について、御説明申し上げます。 第50号議案は、令和3年度一般会計補正予算案でありまして、総額1,028億8,933万9,000円の減額補正についてお諮りいたしました。 このたびの補正予算は、新型コロナウイルス感染症対策に必要な経費や、今冬の豪雪に対応するための除雪費等の所要額を計上するとともに、事務事業の執行見込みに基づく過不足調整等を行うものであります。 この結果、補正後の予算規模は、1兆4,671億2,845万1,000円となります。 また、第51号から第68号までの各議案は、特別会計並びに企業会計に係る補正予算でありまして、それぞれ事業計画の最終見込み等に合わせまして、補正を行うものであります。 次に、その他の主な条例案件等について、御説明申し上げます。 まず、第70号議案は、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の施行に伴い、行政手続のオンライン原則等に係る必要な事項を定めるため、第71号議案は、地方税法の改正に伴い、大法人に対する法人事業税所得割の軽減税率やガス供給業に係る法人事業税の課税方式の見直し等に必要な事項を定めるため、それぞれ、条例の所要の改正を行うものであります。 次に、第74号議案は、損害賠償額の決定等について、最後に、第75号議案は、指定管理者の指定について、お諮りするものです。 以上、各議案の概要につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、各議案それぞれについて、御賛同賜りますよう、お願い申し上げます。 ○議長(佐藤純君) お諮りいたします。 第50号議案から第75号議案までは、審査のため、諸君のお手元に配付の議案付託表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔議案付託表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第2 請願第1号及び第2号 △日程第3 陳情第1号から第17号まで ○議長(佐藤純君) 日程第2、請願第1号及び第2号並びに日程第3、陳情第1号から第17号までを一括して議題といたします。 お諮りいたします。 請願第1号及び第2号並びに陳情第1号から第17号までは、審査のため、諸君のお手元に配付の請願・陳情文書表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔請願・陳情文書表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第4 県政に対する一般質問 ○議長(佐藤純君) 日程第4、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、安沢峰子君の発言を許します。安沢峰子君。   〔安沢峰子君登壇〕(拍手) ◆安沢峰子君 公明党の安沢峰子です。冒頭、ウクライナをめぐる現下の国際情勢について申し上げます。 このたびのウクライナへのロシアの侵略は、国際法上断じて許されることではありません。日本は世界と共に強い姿勢で平和解決への道を探ることを強く求め、私の一般質問を始めさせていただきたいと思います。 まず初めに、知事の政治姿勢について伺います。 2018年6月、花角知事は激戦を制し、県民の期待を担って新潟県知事に就任され、厳しい状態にあった新潟県をリードしてこられました。これまでの3年9か月は、知事の就任当初に明らかになった危機的財政状況の打開に向けての始動となりました。その矢先に発生した誰も想像していなかった新型コロナウイルス感染症との闘いに日々尽力されてこられました。 そのような試練の中にあっても、国からの有利な交付金を引き出し、一段加速した防災・減災対策の推進、医療提供体制の整備、起業・創業の推進、園芸の拡大に加え、行財政改革や新型コロナウイルス感染症対策など、前知事時代からの課題も含め、いずれも前進したと評価いたします。 そこで、最初の質問ですが、分散型社会への対応、脱炭素社会への転換、デジタル改革の実行といったポストコロナ社会を見据えた長期的な課題への対応も含め、今後の新潟県の発展のために、令和4年度予算をどのような思いを込めてつくり上げ、次期知事選に出馬する意向を固めたのか伺います。 次に、人口減少対策について伺います。 新型コロナウイルス流行前と比較すれば、転出超過が減少し、人口減少も一定程度は抑えられていますが、新潟県総合計画の中間評価報告によると、最重要課題である人口減少課題への対応について、遅れているとの評価がなされ、取組の方向性や重点的に取り組むべき施策などの見直しが必要との提言がされています。 知事はどのように受け止められたのか、また評価委員会の提言を踏まえ、最上位計画である新潟県総合計画について、最終年度の2024年度に向け、今後どのように見直していくのか伺います。 NHKがこの2月に行った世論調査では、住む場所として理想的だと思うのは都会が23%、地方が67%の結果で、実際には都市部に人口が集まっているものの、本当は地方に住みたいと考えていることが分かりました。 また、感染禍の1年半において、東京圏は転入超過が激減した一方で、女性の新規正規雇用は情報サービス業等の採用が伸び、地方出身の大卒女子の全体の半分が東京圏に流入しているとも聞きます。 県として、女性だけでなく、若者に選ばれるIT関連企業の誘致・集積に向けた新たな取組が成果を上げているとお聞きしていますが、コロナ禍におけるデジタル化の進展により生じた地方分散の流れを確実に取り込みたいところですが、現状の課題と今後どのように取り組んでいくのか伺います。 新潟県へのU・Iターン促進につなげる魅力発信企画、新潟のつかいかたキャンペーンのアンバサダーのDJ松永さんは、長岡市出身。2019年、世界一のDJとなり、各地のフェスや地元、長岡市でのトークライブなどにも出演していただいていました。 全国放送のバラエティー番組やドラマにも出演するようになった昨年の夏、東京オリンピックの閉会式にサプライズで出演し、世界一のDJの実力を遺憾なく発揮する姿に、松永さんのファンは大興奮だったようです。 新潟が選ばれる地域となるよう、他県にはない効果的な情報発信が必要と考えます。県は今年度、重要なターゲットである県外の若い世代に対し、ウェブ広告やSNSを活用し、直接若者に刺さる効果的な情報発信と話題づくりを行っていると承知していますが、その成果と今後の方針を伺います。 次に、女性活躍について伺います。 内閣府によると、役員に女性がいる企業のパフォーマンス、自己資本利益率等は高いとされる一方、企業の女性役員比率は低く、給与の男女格差も解消されていない状況にあります。 我が県においても、県総合計画の成果指標である管理・監督的業務に従事する者に占める女性の割合は中間目標を達成できず、全国平均を下回っています。 ある女性リーダーは、女性が自己実現できる地方であるために必要なことは、男女の役割の固定観念、ジェンダーバイアスを払拭する努力が企業経営者などに求められていると指摘しています。 また、地方ではこの仕事は男性の仕事、この仕事は女性の仕事といった雇用者側の古い固定観念で、性別による役割分担をしているケースが残っていると言われ、男女関係なく多様なライフデザインを組み立てられる労働市場が地方に根づかなければ、女性を呼び込むことは難しく、若い女性がいない地域では男性の未婚率も上がるとも指摘しております。 男女共同参画社会を実現するためには、企業や組織の男性リーダーが先頭に立ち、率先して社会の意識改革を進めることが不可欠と考えますが、組織改革も踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、新潟県のリーダーでもある知事の意気込みを伺います。 様々な機会に女性の悩みを伺ってまいりました。特に新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、女性は就業や生活に深刻な影響を受けています。 国は、女性活躍・男女共同参画の重点方針2021において、女性のデジタル人材育成を支援する方針を打ち出しています。女性の自立支援のためにも、デジタル分野での就業は有効と考えますが、今後に向けた本県の取組について伺います。 次に、子供政策について伺います。 国は、こども家庭庁を創設し、子供の最善の利益を第一に考え、子供に関する取組や政策を社会の真ん中に据える、こどもまんなか社会を目指しています。 子供も家庭も両方支援する。子供の育ちには家庭は必要な存在ですが、虐待などの問題のためにも親も含めて支援していかなくてはなりません。子供のためにも家庭を支援していかなくてはならないのです。 子供をめぐる課題はコロナ禍により一段と深刻化しており、2020年には全国の小中高生の自殺が前年度より100人近く増え、400人を超えました。憂慮する事態です。また、不登校も8年連続で増加し、過去最多となり、コロナ禍で人との交流が減る中、ネットいじめの件数も調査以来最多となっています。県においても児童虐待件数は5年連続で過去最多を更新しています。 国を挙げて子供政策を強化することが急務であり、こども家庭庁の果たすべき役割は極めて重いと考えます。 一方、県内では、新潟市が子供の権利や大人の責務を示す、新潟市子ども条例を制定し、保護者や施設は子供の気持ちや声に耳を傾けるなど努力義務を盛り込むとともに、市が権利の回復を支援する子ども権利応援隊まで設置する方針です。 佐渡市でも、行政や市民が一体となって子育てしやすい島を目指す、子どもが元気な佐渡が島(たからじま)条例の制定を予定しています。 県としても子供政策の推進を前面に打ち出すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、脱炭素の取組についてです。 新潟県2050年カーボンゼロの実現に向けた戦略中間取りまとめによると、温室効果ガス排出量の2030年度削減目標は2013年度比46%削減としています。 目標達成に向けて県民や事業者、市町村と一丸となって、さらなる高みも視野に意欲的な取組を推進するとされていますが、家庭部門においては50%削減を目標としており、2030年度まで残り9年しかない中、大幅な排出量の削減が求められており、脱炭素型ライフスタイルへの転換施策を格段に加速させる必要があります。県民一人一人の意識改革と行動変容をどのよう促していくのか、方針を伺います。 日本政策投資銀行等が今年度実施した訪日外国人旅行者の意向調査によると、新型コロナウイルス感染症が収束した後の海外旅行の意向は非常に強く、思う、どちらかといえば思う、の合計は87%であり、観光旅行したい国、地域では日本が2位以下を断トツに突き放して57%と、収束後を見据え、切れ目ない情報発信が重要と考えますが、現状と今後に向けた方針を伺います。 日本政策投資銀行等による調査では、観光のために日本を訪問したい理由として、食事がおいしいからが51%と最も高い結果となりました。本県の外国人旅行者は、スノーシーズンが5割を占め、通年での誘客が課題であると言われています。ポストコロナを見据え、新潟県の四季に応じた美食の海外での認知度を向上させる必要があると考えますが、今後に向けた方針を伺います。 次に、新型コロナウイルス感染症対策・県民の健康・医療について伺います。 まん延防止法の適用は6日までで、延長しないとのことですが、オミクロン株の急速な感染拡大による第6波を教訓に、新たな変異株による第7波を見据え、病床・宿泊療養施設の確保、自宅療養者の健康観察など、感染のスピードに合わせた体制整備が必要と考えますが、所見を伺います。 3回目のワクチン接種については、副反応が強いという先入観念から、武田、モデルナ社製の接種が進んでいないという指摘もありますが、そのほか前倒し接種を加速化する上での課題としてどのようなものがあるのか伺うとともに、武田、モデルナ社製への先入観念への対応も含め、課題に対する対応を併せて伺います。 次に、医療機関の安全性について伺います。 ロシアによるウクライナへの侵攻を受け、先進7か国はロシアへの厳しい制裁に踏み切る構えを見せており、サイバー攻撃による報復の可能性が高まっています。また、サイバー攻撃のリスクが日本でも高まっているとして、経済産業省は企業や団体に対してセキュリティー対策を強化するよう呼びかけています。 そのような中、ウクライナ情勢との関係は不明ですが、先日、トヨタ車の部品メーカーがサイバー攻撃を受けたため、トヨタ自動車は2月28日、3月1日に国内全工場の稼働を停止すると発表しました。 また、昨年10月には徳島県つるぎ町の町立病院がサイバー攻撃を受け、病院のシステムに侵入し、情報を暗号化し、復旧と引換えに金銭を要求するコンピューターウイルス、ランサムウエアに感染しました。約8万5,000人分の電子カルテが閲覧できなくなり、新規患者の受入れを停止し、復旧まで約2か月を要したと報じられました。 県民生活や社会活動の基盤となる医療、金融、行政サービスなどの情報インフラのサイバー被害は、適切な管理により大半が防げると言われています。特に県民の生命に関わる医療機関のサイバーセキュリティーは何よりも重要であると考えますが、県としてどのような取組が図られているのか伺います。 次に、HPVワクチンについて伺います。 厚生労働省は、HPVワクチンの定期接種対象者への積極的勧奨の再開に伴い、積極的勧奨を差し控えている間に接種機会を逃した平成9年度から平成17年度生まれの女子をキャッチアップ接種の対象としました。 幅広い年代の対象者が接種について検討・判断できるよう、HPVワクチンの有効性・安全性について、丁寧かつ確実な情報提供を行うとともに、進学などによる住民票所在地以外での接種も想定した、市町村との連携による柔軟な対応も必要と考えますが、県としての対応を伺います。 次に、がん患者支援について伺います。 我が県においてもがん対策推進条例を定め、がんが身体的苦痛のみならず、精神的苦痛等をがん患者に与えるものであることに鑑み、その苦痛を可能な限り軽減し、がん患者が安心して治療を受けながら充実した生活を営むことができるようにすること等を定めています。 治療技術の進歩により、がんは不治の病から長く付き合う病気に変化してきました。高齢化が進む中、生涯のうち2人に1人ががんに罹患すると推計されており、今後ますますがん患者が増加する中、がんに罹患しても安心して暮らせる環境整備が重要となってきております。 がん診療連携拠点病院等に設置されているがん相談支援センターでは、アピアランス、外見のケアについても相談できると承知しています。 私の身近にも乳がんなどによりウイッグを着用している女性がいました。50代で大腸がんと乳がん、両方の治療の副作用で髪の毛が抜け、ウイッグをつけていました。高価ですが、治療の苦痛を軽減するためにも体調がよいときに気分転換する。仕事をしながら治療もしていたので、仕事用と遊び用の2つウイッグを持っていて、苦しくつらいがん治療を乗り越えるためにも見た目を重視することは重要だと言っていました。 新潟県美容業生活衛生同業組合は、がん患者サポート美容師を認定する独自制度を導入し、がん患者への接客の注意点、医療用ウイッグの特徴を学ぶ研修を実施しており、がん患者がつらい治療にも明るく前向きに取り組めるよう手助けしたいとのことでありました。 しかしながら、補整具等は専門の品物で高価になっております。患者の経済的負担、心理的負担を軽減し、がん治療中も安心して就業や学業に専念できるよう、補整具である医療用ウイッグや補整下着、人工乳房など、アピアランスに関わる経済的支援についても必要と考えますが、所見を伺います。 次に、子供弱視検査について伺います。 子供の50人に1人が弱視、視力が未発達の状態であるとされています。3歳児健診は、弱視を発見し、医療につなげる大切な機会です。しかし、現状では診断を幼児の視力検査に頼っているため、屈折異常による弱視を見逃すケースが多いことが問題になっています。 日本弱視斜視学会によれば、3歳児健診の精度を上げるためには、視力検査と併せて他覚的な屈折検査の実施が必須とされていますが、コストや検査時間の長さ等に阻まれ、導入が進みませんでした。 近年簡便な検査機器が開発され、屈折検査を導入する自治体が次第に増えてきているものの、市町村の財政などの事情により、全国的にかなりの格差があるのが現実です。 そのような中、厚生労働省における令和4年度予算に屈折検査機器の整備が国の施策として取り上げられました。県としても導入に向けた支援が必要と考えますが、方針を伺います。 次に、視覚障害者支援について伺います。 県視覚障害者情報センターにおいて、視覚障害者のために書籍や新聞などの内容を音声として伝える音声訳ボランティアの活動が行われています。 音声訳ボランティアの活動とは、視覚に障害がある人の視覚の代わりとなり、書いてあることを書いてあるとおり正確に音声として読み上げ、伝えること、また実際に音訳をその場で行うだけでなく、音訳されたものの校正や音訳データの編集などもボランティアの活動内容に含まれています。 今後はAIの進化による音声訳のデジタル化が進むと言われていますが、図表、写真、イラストなどについては音訳者の経験による説明が不可欠であり、現状の音声訳ボランティアによる支援を求める声も多いと聞いています。 県視覚障害者情報センターにおける音声訳ボランティアの今後の方針について伺います。 次に、持続可能な農業の取組について伺います。 初めに、新潟米の方向性についてです。 新潟県総合計画の中間評価において、担い手が将来展望を持って経営できる農業の展開の項目は、成果指標の農業産出額等が全国と比較し減少傾向にあるなどの理由から、全体としてやや遅れていると評価されました。 提言の中で、新潟米について将来的なグランドデザインを描くべきとありますが、これを受けた新潟米の今後の方向性について知事の所見を伺います。 次に、米の消費拡大についてです。 米価の下落は御案内のとおりですが、米関係者からは一様に米の消費拡大が、より一層重要だと指摘されます。 農林水産省は、米の消費拡大の取組を応援すべく、企業の取組情報を幅広く集約したウェブサイト、「やっぱりごはんでしょ!」を開設しています。 また、米消費が多く見込まれる若い世代を重点ターゲットとする動画を順次掲載し、総再生回数は数十万回以上と米の消費を盛り上げています。 これは、農林水産省職員自らが農林水産省の公式ユーチューブチャンネル、BUZZ MAFFでユーチューバーとなるなど、担当業務にとらわれず、その人ならではのスキルや個性を生かして、我が国の農林生産物のよさや農林水産業、農山漁村の魅力を発信するプロジェクトです。 身近な動画で農業のよさを知ってもらうことは食の未来に不可欠と、これまで約650本を投稿、野上元農林水産大臣や小泉元環境大臣も出演し、動画公開以降、数十万回以上再生されるなど非常に好評であり、コメント欄には、米の消費に対するポジティブな意見が寄せられています。 県においても米の消費拡大に向けた情報発信に取り組んでいると承知していますが、成果と今後の方針を伺います。 県産農産物の輸出拡大や、これを促進するための東京2020オリンピック・パラリンピック選手村での調達要件に対応するため、GAPの認証取得促進が必要であると、これまで本会議、委員会において訴えてきました。農業者からもオリンピック後はどうなるのかとの声を多数いただいておりました。 GAP認証を取得した県産農産物の同大会選手村での採用結果を伺うとともに、認証取得促進に向けた今後の方針について知事に伺います。 次に、農福連携について伺います。 農業は、農村地域の維持において大きな役割を担っています。また、県はこれまで農福連携を推進してきましたが、この取組は単に障害者だけでなく、生活困窮者などの社会的弱者まで包括していくようになるのではないかと考えます。 農村地域の維持と共生社会の実現に向け、農福連携の取組を拡大していくべきと考えますが、今後の方針について伺います。 最後に、県政の諸課題について伺います。 県は、持続可能な社会の実現に向けて国際的な問題となっている食品ロス削減取組として、県庁舎内に食品ロス削減無人販売機、fuuboを設置しております。 これは県庁舎の西回廊2階に設置したもので、県内食品メーカーから提供される品質的には問題ないが、納品期限などの理由により販売が難しくなった商品を販売するもので、同販売機の設置は、今まで都内の郵便局やカフェ、JR名古屋駅などに次いで全国9か所目で、自治体庁舎への設置は全国初の取組と聞いております。 食品ロスの削減を推進するためには、自治体ごとに削減目標を定めて取組を進めることも有効であると訴えてきました。現在策定中の県食品ロス削減推進計画においては、行政の役割として、市町村計画の策定や地域の実情に応じた取組の必要性が盛り込まれていますが、市町村の計画策定に向けた状況を伺うとともに、県として市町村の取組をどのように支援していくのか伺います。 次に、原子力防災体制の構築について伺います。 原子力防災体制の構築に向けては、県は毎年6月頃に実施する国への要望活動において、住民避難を円滑に行うための道路及びスマートインターチェンジ等の整備に係る財政措置を要望しておりますが、昨年11月に公表した原子力災害時避難経路阻害要因調査の結果を基に、今後も要望を重ねていくことが実現に向けて重要と考えますが、方針を伺います。 質問は以上ですが、次期知事選に向けては、しっかりと新潟県のあるべき姿を県民に訴えていただきたいと知事に要望し、終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 安沢議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、令和4年度当初予算案へ込めた思いと再選出馬の意向についてでありますが、まずは新型コロナウイルス感染拡大防止対策について、引き続き迅速かつ最大限の対応を行っていくとともに、社会経済活動の維持・回復との両立に向けて、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けている方々への支援、事業者等への事業継続や新分野への転換を図るための支援などについて、しっかりと対応してまいります。 その上で、ポストコロナ社会における本県の中長期的な成長・発展を見据え、分散型社会への対応、デジタル改革の実行、脱炭素社会への転換の3つの取組を拡充し、加速してまいります。 加えて、県民の皆様の要望や不安など様々な声を具体的な事業に反映することで、住んでよし、訪れてよしの新潟県づくりをしっかりと前に進めていくべく、目配りができたバランスの取れた予算案となるよう意を用いたところであります。 私としましては、任期最後の予算編成を進める中で、新潟県の活力、元気をどのようにつくっていくか繰り返し考え、私自身の役割についても熟慮してまいりましたが、新潟県の中長期的な成長・発展に向けて、このまいた種、植えた苗をしっかり育てることは、私自身の責務ではないか、そして私自身にその役割を担わせていただきたいとの考えに至り、5月に予定されております知事選挙において、2期目を目指すことといたしました。 次に、人口減少対策に関わる総合計画の見直しについてでありますが、人口減少問題への対応については、県政のあらゆる分野の政策を総動員し取り組んでまいりましたが、人口動態には、これまで続いた人口構造による慣性が働く面もあり、人口全体の大きな流れに変化を生じさせる状況には至っておらず、評価委員会の提言を重く受け止めております。 総合計画の見直しに当たっては、人口減少の現状や特性、本県の少子高齢化といった人口構造による影響を踏まえつつ、政策効果をより直接的に測定・評価できるよう、達成目標の見直しを検討してまいります。 加えて、市町村や民間との連携、本県の魅力の戦略的発信、PDCAサイクルの徹底といった政策の基本的な視点と併せ、個別指標ごとの取組強化の方向性や、テレワークをはじめとするデジタル改革等の進展に伴う働き方の変化など、新型コロナウイルス感染拡大を契機とする社会環境の変化を踏まえた選ばれる新潟に向けた今後の政策の方向性を盛り込んでまいりたいと考えております。 次に、IT関連企業の誘致における課題と今後の取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、近年多くの企業に立地していただいており、今後、さらに誘致を進めるためには、地方への進出を検討する企業の経営層に、直接、本県の優れた立地環境や、検討段階に応じた支援制度を伝え、迅速かつ的確な経営判断に生かしてもらうことが課題と認識しております。 そのため、県といたしましては、企業の経営層に直接アプローチし、決断を促す新たな取組として、本県に立地したIT企業経営者の人的ネットワークを生かした誘致活動を実施し、引き続き、進出先として本県を選んでいただけるよう取り組んでまいります。 次に、県外の若者への情報発信についてでありますが、本県の魅力発信サイトである新潟のつかいかたを通じて、地方分散の重要なターゲットである県外の若者に、幅広く日常的に情報を届けていくため、今年度、若者に人気のDJ松永さんをアンバサダーに起用し、話題性あるキャンペーンを、SNSを活用して展開しました。この結果、フォロワーが10倍以上になり、認知度が大幅にアップするなどの成果が得られました。 今後、これを若者の新潟への具体的な関わりに結びつけていくことが課題となることから、新潟の魅力を若者が共感できるコンテンツに磨き上げ、ウェブサイトとSNSを活用して効果的に伝えるとともに、関わりや関心度に応じ、観光、県産品、移住・定住などの関連サイトへ誘導を図ることにより、他県の情報に埋もれない効果的な情報発信を行ってまいりたいと思います。 次に、男女共同参画社会の実現に向けた取組についてでありますが、男女共同参画社会の実現に向けては、企業や行政など様々な関係者が連携をして、社会の意識改革を進めることが重要と考えており、昨年10月に、新潟県公民協働プロジェクト検討プラットフォームにおいて、女性活躍の推進などに取り組んでいくことを宣言いたしました。 県といたしましては、新年度の男女平等施策の重点的な柱の一つとして女性活躍を掲げ、全庁的な視点での企画立案や総合調整機能を強化するための組織改正を行い、さらには、女性が活躍できる職場環境づくりに取り組む企業に対する支援や、女性の起業・創業の促進や経営に参画する次世代リーダーの人材育成など、公民連携により女性活躍に向けた取組を強力に進めてまいります。 次に、女性のデジタル人材育成に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、生活スタイルに合った働き方を選びやすいデジタル分野での就業は、女性の活躍や自立を促進する上で有効であると考えています。 県では、これまでも、企業のニーズを掘り起こしながら、就業希望者への個別相談や、SNSを通じた就職情報の発信、IT分野の職業訓練など、デジタル分野への就業に向けた支援を行ってまいりました。 新年度におきましては、これらに加えて、結婚や妊娠・出産などにより長期間就労されていない女性等を対象に、ITスキルアップ研修などを実施することとしており、引き続き、デジタル分野での女性の活躍と就業促進に取り組んでまいります。 次に、子供政策の推進についてでありますが、県では、総合計画において住んでよし、訪れてよしの新潟県の基本理念の下、政策展開の柱の一つに子どもを生み育てやすい環境の整備を掲げ、子供政策の推進を前面に打ち出すとともに、人口減対策の観点からも重要課題と捉えて、選ばれる新潟を目指し、子育て環境の整備に力を注いできたところであります。 特に女性の就業率が高い本県では、働きながら子育てしやすい環境の充実は重要であり、市町村等と連携をして、保育所や子育て支援拠点、病児保育施設等の受皿整備や、企業等における両立支援の推進などに取り組んでおります。保育所等待機児童ゼロ、子育て支援拠点数は人口1,000人に対して全国1位、育児に関する支援制度のある事業所は8割を超えるなど、社会全体で子育てを支える環境づくりを着実に進めてきております。 また、地域の子ども食堂や学用品等のリユースなどを行う子育て団体への支援や、児童相談所の施設及び体制の強化、ヤングケアラーなど困難な状況にある子供への支援などの取組も進めてきております。 引き続きこれらの政策を積極的に推進し、子供たちが安全・安心に伸び伸びと暮らせる新潟を目指してまいりたいと思います。 次に、家庭部門の温室効果ガス排出量削減に向けた県民一人一人の意識改革と行動変容の促進についてでありますが、議員御指摘のとおり、温室効果ガスの大幅な排出削減のためには、脱炭素型ライフスタイルへの転換が不可欠であり、県民の意識改革・行動変容を促すことが重要と考えております。 このため、新年度には、環境問題等に関心の高い、次世代を担う学生等が主体となり情報発信を行うなど、県民の意識改革・行動変容を促す普及啓発を強化してまいります。 さらに、脱炭素型ライフスタイルの実践的な取組として、住宅のゼロエネルギー化や次世代自動車の導入等を促進するとともに、こうした先駆的な取組を行う市町村を支援してまいりたいと考えております。 次に、海外における本県の食の認知度向上についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県の豊かな食は、インバウンドに対しても有力なコンテンツであると考えており、海外における認知度向上に向け、その魅力を積極的にPRしていくことは、重要であると認識しております。 県といたしましては、本県の食の魅力が訪日外国人旅行者に伝わるように、これまで主に国内向けに発信しておりましたガストロノミーの取組をインバウンド向けに展開していきたいと考えており、デジタルマーケティングの手法も活用しながら、旅行者の嗜好やニーズに合わせた、効果的な情報発信を推進してまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症対策・県民の健康・医療についてお答えします。 まず、オミクロン株の特性を踏まえた新型コロナウイルス感染症対応のための体制整備についてでありますが、県では、第6波に備えて新型コロナウイルス感染症対応の病床を約100床増床するとともに、ワクチン、検査、治療薬等の適切な提供に努めてまいりました。また、先月新たに入院待機ステーションの運用も開始したところです。 このような取組により、本県の新型コロナウイルス感染症対応の病床使用率は現在25%前後で推移しており、これまでのところ重症患者数は比較的少ないこともあり、病床が逼迫している状況ではありません。 宿泊療養についても、最大使用率が21%と不足は生じておりません。 一方、自宅療養者数については、第5波の最大923名に対して第6波は最大3,972名と大幅に増加していますが、医師会や新潟大学等に協力をいただいて、オンライン診療体制を強化するとともに、看護師等を60名程度増員して健康観察を強化し対応しております。 今後とも、感染状況に応じて、病床の拡充、宿泊療養施設の新規確保、自宅療養者の健康観察を行う看護師等の増員などの体制整備に努めてまいります。 次に、HPVワクチンのキャッチアップ接種に係る情報提供と住所地外接種についてでありますが、これまで国において、ワクチンの有効性・安全性に関する情報提供の方法について検討が行われておりましたが、先月24日付で、HPVワクチンの接種を検討・判断するために有用な最新の科学的知見等を踏まえた改訂リーフレットが、国から地方自治体に送付されました。 県でも今年度中に簡潔で配布しやすいチラシを作成して、来年度はこれらのリーフレットやチラシ等を活用しながら広く周知に取り組んでいきたいと考えており、必要な予算を本定例会にお諮りしているところです。 また、住所地外接種については、各市町村が定期接種全般でそれぞれ対応しているところですが、HPVワクチンについても配慮いただけるよう市町村に要請するとともに、県としても状況を注視し、適切に推進されるよう取り組んでまいります。 次に、がん患者のアピアランスに関わる経済的支援についてでありますが、がん治療による外見の変化に起因する苦痛を軽減する医療用のウイッグや補整下着、人工乳房といったアピアランスケアは、がん患者の方のQOLの向上に寄与するものと考えております。 県といたしましては、経済的負担を軽減するための助成制度の創設について、引き続き、国に要望してまいります。 次に、屈折検査機器の導入支援についてでありますが、3歳児健診における視力検査は、弱視を発見し、治療につなげる機会となり得るものと認識しております。 現状では御家庭での視力検査に頼っているため、屈折異常による弱視を見逃すケースがあるという課題があるものの、議員御指摘のとおり、市町村においては、コストがネックとなって屈折検査機器の導入が進んでいなかったところです。 今般、国の来年度予算において、機器導入に関する補助事業が新設されたこともあり、県といたしましても、市町村の検査体制の充実を図ることで、幼児の弱視等の早期発見・治療につなげていきたいと考えており、県内全市町村における機器整備に必要な関連予算案を本定例会にお諮りしているところです。 次に、持続可能な農業の取組についてお答えをいたします。 まず、新潟米の今後の方向性についてでありますが、人口減少等により主食用米の需要が長期的に減少する中、新潟米については、需要に応じた生産を基本としつつ、主食用米・非主食用米を合わせた米全体での需要拡大と、生産者所得の最大化のための多様な米作りを推進する必要があると考えております。 このため、食味・品質を重視した米作りを徹底するとともに、コシヒカリと新之助を双璧のトップブランド米として、オール新潟でPRを展開し、改めて米といえば新潟県という産地イメージを定着させてまいります。 また、全国の消費者はもとより、食品産業や輸出事業者等に対し、求められる米を安定供給することで、引き続き、我が国の食料供給基地としての役割を果たしてまいりたいと考えております。 次に、GAPの認証取得についてでありますが、ヨーロッパを中心に、国際水準のGAP認証が農産物の取引要件として広く普及しており、輸出を拡大していく上で、GAP認証の必要性は今後も高まっていくものと考えております。 また、従業員を雇用する農業法人等では、GAPの取組によって労働安全などの生産工程管理が強化され、働き方改革にもつながることから、これまで以上に取組を拡大していくことが必要と考えています。 このため、県といたしましては、海外への販路拡大を目指す農業者や、雇用の受皿となる農業法人等に対し、意識啓発も図りながら、認証取得を推進してまいります。 なお、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村での県産農産物の採用結果については、農林水産部長からお答えをいたします。 次に、農福連携の取組の拡大についてでありますが、農福連携の一層の推進を目指す、国の農福連携等推進ビジョンでは、障害者にとどまらず、生活困窮者等にも対象を広げ、全ての人が共生できる社会の実現が重要としており、既に県内でも、働きづらさや生きづらさを感じている様々な方が参加している事例があると承知しています。 県といたしましても、農業は障害のある方だけでなく、多くの皆様にとって社会参画の場になり得るものと考えており、農業関係者と福祉関係者の相互理解の促進を図り、連携する仕組みづくりを進めるとともに、誰もが働きやすい就業環境整備を支援するなどにより、農福連携を推進してまいりたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えをします。 原子力災害時避難経路阻害要因調査の結果を踏まえた国への要望についてでありますが、今回の調査では、スマートインターチェンジなどの進入路を設置し、多くの車両が通行することができる北陸自動車道を一層活用することが、PAZ住民の避難における渋滞の緩和に効果があることが示されました。 議員御指摘のとおり、調査結果を踏まえて、国に対し要望を重ねていくことは重要と考えており、北陸自動車道への進入路の設置など、円滑な避難のための道路整備等の実現に必要な財政措置について、関係市町村とも連携をし、国に対し強く要望してまいります。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 市町村の食品ロス削減推進計画の策定状況と取組への支援についてでありますが、昨年11月に行ったアンケート調査では、計画策定済みが1市、今年度中に策定予定が1市、来年度以降に策定予定が2市1村となっております。 また、多くの市町村が、計画は策定していないものの、他の関連計画の中で食品ロス削減について記述するとともに、広報紙等による家庭向けの情報発信をはじめとした様々な取組を実施しているところです。 県といたしましては、市町村に対し、計画策定の先進事例や取組の優良事例を紹介するなど、効率的な計画策定等に向けた支援を行いながら、連携して食品ロスの削減に取り組んでまいりたいと考えております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 3点お答え申し上げます。 新型コロナワクチンの3回目接種の前倒しの課題と対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、1、2回目接種の経験や報道から、モデルナの副反応に不安感を持つ方が一定程度いらっしゃると認識しております。 一方で、厚生労働省の研究班の分析によれば、1、2回目にファイザーを接種した方が3回目接種においてモデルナを接種した場合、接種1か月後の抗体価が3回ともファイザーを接種した方よりも高くなると報告されております。 県といたしましては、このような事実も含め情報提供し、ファイザーやモデルナといったワクチンの種別にかかわらず、県民が納得して早期に接種していただくことが重要と考えております。 前倒し接種の課題としてはほかにも、1、2回目接種の経験を踏まえ、より効率的かつ早期にワクチン接種を完了するために、あらかじめ接種日時を指定する方式を採用する市町村が増えたことにより、度重なる国の前倒し要請の変更に柔軟な対応が困難であったことなどが挙げられます。 これまで、市町村に対して、接種券の前倒し発行や接種日程の増などを要請し、県としても、広く県民に3回目接種のメリット等を周知するとともに、大規模接種会場やワクチン接種加速化センターを設置し、接種の前倒しを支援してきたところですが、今後とも市町村と連携し、さらなる接種の前倒しに努めてまいります。 次に、医療機関へのサイバー攻撃に係る県の取組についてでありますが、近年、国内外において医療機関に対するサイバー攻撃の事例が複数あり、診療体制に大きな影響が出ていることから、議員御指摘のとおり、サイバーセキュリティー対策は重要な課題であると認識しております。 県では、従前から医療機関への注意喚起を行ってきたところですが、昨年10月に徳島県の病院がサイバー攻撃を受けた事例の発生を受け、改めてソフトウエアや機器の点検等を依頼したところです。 また、魚沼基幹病院等を含む県立病院においては、システムの保守会社による点検を行うとともに、院内に運用規則の遵守を改めて徹底したことを確認しております。 県といたしましては、引き続き、様々な機会を捉え、注意喚起をしてまいりたいと考えております。 次に、県視覚障害者情報センターにおける音声訳ボランティアの今後の方針についてでありますが、県視覚障害者情報センターでは、人工音声技術の進歩を踏まえ、視覚障害者に対する情報機器操作の支援に取り組んでおりますが、デジタル化の流れの中にあっても、図表や写真等を分かりやすく言い表したり、活字のニュアンスを酌み取って的確に表現したりする音声訳ボランティアの技術と役割は、非常に重要であると認識しております。 音声訳ボランティアにつきましては、研修を毎年実施して育成を図っているところであり、センターにおけるボランティア登録者数は安定して推移しております。 県といたしましては、今後も視覚障害者が必要な情報を得ることができるよう、引き続き音声訳ボランティアの育成等に努めてまいります。   〔観光局長妹尾浩志君登壇〕 ◎観光局長(妹尾浩志君) お答えいたします。 訪日外国人旅行者に対する情報発信の現状と今後の取組方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、インバウンドの受入れが停止している状況においても、外国人の訪日旅行に対する意欲は高いとされており、再開後の早期回復を見据え、切れ目ない情報発信が重要であると認識しております。 このため、県では、多言語ウェブサイトやSNSの活用に加え、在留外国人のインフルエンサーによるオンラインライブ配信などを通じて、スノーリゾート新潟など本県の魅力を継続して発信しているところでありますが、感染症収束後の来訪促進に向け、多言語ウェブサイトの拡充や、旅行者の嗜好やニーズに、より合わせた発信内容の充実に取り組むなど、情報発信の強化に努めてまいります。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) 2点についてお答えします。 米の消費拡大に向けた情報発信の成果と今後の方針についてでありますが、県ではこれまで、流通事業者等と連携して、新米シーズンを中心としたキャンペーンやフェアの開催等による情報発信を通じ、県内外で米の消費拡大の機運を高めてまいりました。 また、若い世代をターゲットとして、米の消費拡大を目的に2つの企画で動画を配信したところ、その斬新さなどが評価され、動画視聴回数は延べ100万回を超えるなど、新潟米のブランドイメージの向上や米の消費拡大で一定の成果があったものと考えております。 今後とも、国をはじめ、関係団体や事業者等と連携し、話題性の高いプロモーション等を効果的に展開することで、米の消費拡大を推進してまいりたいと考えております。 次に、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村での県産農産物の採用結果についてでありますが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が公表した選手村食材産地リストによれば、本県からは、米・マイタケ・ナメコ・エリンギの4品目が選手村で活用されており、グローバルGAPを取得している農業大学校のコシヒカリも提供されたところです。
    ○議長(佐藤純君) 安沢峰子君の質問は終わりました。 次に、遠藤玲子君の発言を許します。遠藤玲子君。   〔遠藤玲子君登壇〕(拍手) ◆遠藤玲子君 日本共産党の遠藤玲子です。通告に基づいて一般質問を行います。 質問に先立ち、ロシアによるウクライナへの侵略攻撃を断固糾弾し、その中止・撤退を強く求めるとともに、国際社会が国連憲章と国際法に反する蛮行を中止させるために、一致団結し、全力を挙げて取り組むことを強く望むものであります。 それでは、質問を行います。 最初に、知事の政治姿勢についてお尋ねいたします。 まず、新型コロナウイルス・オミクロン株感染対策についてです。 第6波で高齢者にも感染が広がり、命を落とす人が急増しています。その大半は高齢者であり、施設におけるクラスターの増加が大きな要因となっております。 オミクロン株から県民の命を守ることは最優先課題と考えられていますが、政府の対応は後手後手になっており、ワクチンの3回目接種の遅れや検査キットが不足するなど問題となっております。 オミクロン株は発症までの時間が短く、一気に感染拡大すること、喉や鼻などの上気道症状が多く、子供たちの感染が増えていることなどの特徴を踏まえて、ワクチン、検査、医療、暮らしの問題など、取るべき対策の全体像を国がパッケージで示すことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。知事の所見を伺います。 ワクチン追加接種が欧米と比べて大きく遅れています。さらに、本県の3回目接種状況は3月1日現在で17%にとどまっており、全国46番目と大幅に遅れていることは問題だと考えますが、その原因と打開のための対策について、知事はどのように認識しておられるのか、所見をお伺いいたします。 本県の新規感染者数は高止まりをしており、感染が疑われる有症者や濃厚接触者に対する検査が迅速・確実に行われなければなりません。しかし、検査キットの不足やPCR検査体制の不足などから検査できないケースも生じていることが伝えられています。 県は、2月8日、医療機関や保健所等の業務が逼迫しているため、検査対象を限定すると発表しました。同時に、感染者自ら濃厚接触したと考えられる人に連絡するとされました。 しかし、発症した感染者が濃厚接触者と思われる人にしっかりと連絡できるのか、さらに連絡を受けた濃厚接触者が無症状感染者として市中感染を広げる可能性はないのかといった懸念は否定できません。 自宅療養者が自宅放置とならないようしっかりとした見守り体制を構築することも必要ですが、現状では決して十分とは言えません。 PCR検査や抗原検査は誰でも、いつでも、何度でも受けられるように拡充することや、自宅療養者の見守り体制も一層の強化が必要と考えますが、どのような対策を講じるのでしょうか。 コロナ禍は2年が経過し、この間、感染者を受け入れている医療機関だけでなく、ほとんどの医療機関が受診控えにより大幅な減収に直面しており、減収補填を求める声が広がっています。 国はかたくなに減収補填に背を向けていますが、保険医団体連合会の調査によると、山形県が歯科を含む全診療所約1,730か所に30万円を給付するなど、全国で159の自治体が支援を行っています。その財源の多くは国の地方創生臨時交付金であるとのことですから、知事が決断すれば同様の支援は可能です。 全ての医療機関に対する減収補填などの支援を講じるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 2020年度における国の医療費は1兆4,000億円も減少いたしました。中でも未就学児の医療費は19.1%も減少し、小児科の診療所は大きく収益を減らしています。 今年1月以降、学校や保育所での感染拡大に伴い、発熱外来の患者は急増しているにもかかわらず、PCR検査の診療報酬は4月から大幅に下がることになっています。検査すればするほど赤字になるような診療報酬の改定は問題であり、小児医療を守るためにも見直すよう国に要望すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 重症化リスクの高い高齢者や障害者等の入所施設、デイサービスや訪問介護などの在宅系のサービスの現場でも、神経をすり減らしながら感染症対策が行われています。 しかし、マスクやガウンなどの衛生材料の経費は全て持ち出しです。また、医療関係者には公費負担で確保されている宿泊施設も、介護施設関係者は対象となりません。 高齢者施設でクラスターが発生すれば直ちに命に関わるだけに、医療機関と同等の実態を踏まえた支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。所見を伺います。 経済への打撃も甚大です。2020年度の持続化給付金は、売上高が前年度比50%以上減少という厳しい基準があったものの、個人が最高100万円、法人が200万円でした。国の12月補正予算で具体化された事業復活支援金は、売上高減少率30%以上と緩和されたものの、個人への上限額が50万円、法人でも年間売上げで1億円以下の小規模事業者には100万円と減額され、予算規模も半減しています。また、家賃支援給付金は復活されず、国の経済社会活動への支援策は不十分と言わざるを得ません。 そこで、県として第6波で打撃を受けている事業者に独自の支援策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。知事の所見を伺います。 次に、敵基地攻撃能力について伺います。 岸田首相は、昨年12月、臨時国会の所信表明で、敵基地攻撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せずに現実的に検討し、スピード感を持って防衛力を抜本的に強化していきますと述べました。 しかし、日本国憲法前文では、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」と明記され、第9条では、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と定めています。 敵基地攻撃能力を持つということは、まさに9条が永久に放棄した武力による威嚇または武力の行使に当たり、日本国憲法に明確に違反すると考えられますが、知事の認識についてお伺いいたします。 次に、新自由主義の弊害についてお尋ねします。 岸田首相は、今国会の施政方針演説で、新自由主義的な考え方が生んだ様々な弊害を乗り越えると述べられました。 市場競争に任せれば全てうまくいくという市場原理主義などを特徴とする新自由主義により、労働法制の規制緩和が進みました。企業の利益を極大化させるため、労働者派遣法を何度も改悪し、非正規雇用を広げた結果、派遣、パート、アルバイトなどの不安定雇用が拡大して、格差と貧困が広がりました。まさに新自由主義の大きな弊害の一つです。 乗り越えるべき新自由主義の弊害について、知事はどのように認識をしていますか。所見を伺います。 あわせて、良質な安定した雇用を確保するためにどのような対策を講じられるのか、お伺いいたします。 次に、佐渡金山について伺います。 佐渡島の金山は、江戸から明治、そして平成の操業停止に至るまで、長い歴史を物語る坑道跡や採掘施設、製錬施設など、先人の営みを見ることができる世界でも例のない遺産であり、我が党も世界文化遺産登録の推薦に値するものだと考えています。 同時に、世界遺産とは人類の知的・精神的連帯に寄与し、平和と人権を尊重する普遍的な精神をつくるというユネスコの理念や、より広い社会的、文化的、歴史的、自然的な文脈と背景に関連させなければならないとするICOMOS憲章に照らせば、江戸時代までの歴史だけではなく、戦時中の朝鮮人強制労働が存在した負の歴史も含めた全体像が示されるべきと考えられます。 アジア・太平洋戦争の末期に、佐渡金山で当時日本の植民地支配の下にあった朝鮮人の強制労働が行われたことは否定することのできない歴史的事実です。 県が編さんした「新潟県史 通史編8 近代3」では、朝鮮人を強制的に連行した事実を指摘しています。また、佐渡の旧相川町が編さんした「相川の歴史 通史編 近・現代」は、金山での朝鮮人労働者らの状況を詳述した上、「佐渡鉱山の異常な朝鮮人連行は、戦時産金国策に始まって、敗戦でようやく終わるのである」と書いています。 佐渡金山の世界遺産登録に当たっては、負の歴史を含めた全体像が示されるべきと考えますが、いかがでしょうか。知事の所見を伺います。 佐渡に関してもう一つ。2月上旬に佐渡汽船、みちのりホールディングス傘下にとニュースが流れました。その後、県民から佐渡汽船の持続的・安定的な経営ができるのか、今後も佐渡汽船の安全・快適な航行は保障されるのかという疑問や不安の声が寄せられています。 将来にわたって佐渡島民の命綱とも言える本土との交通をしっかりと確保し、佐渡金山の世界遺産登録を契機とする観光振興のためにも、県が責任を持って佐渡汽船と佐渡航路を守り抜くという立場を表明すべきと考えますが、いかがでしょうか。知事の所見を伺います。 次に、3つの検証について伺います。 検証総括委員会の開催は2回だけであり、新年度予算では健康・生活委員会や技術委員会の予算が減額され、メディアでは個別委員会の報告書取りまとめを急がせる動きなどが報道されています。こうした状況は、知事が再三表明されている3つの検証は期限を区切らず、徹底的にとの議会答弁に逆行しているのではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、次期知事選においても、前回知事選で「原発は3つの検証をしっかり進め、将来的には脱原発社会に全力」と掲げられた公約は、引き続き維持されるのでしょうか、それとも方針を転換して、政府や自由民主党が狙う柏崎刈羽原発の再稼働を推進するという立場を表明されるのでしょうか。しっかりとお答えください。 次に、新年度予算についてお尋ねいたします。 令和2年度の目的別決算構成比の全国比較、普通会計の図は、全国に比べて土木費や農林水産業費の比率が大きく上回っており、投資的経費が財政のゆがみにつながっているのではないかと懸念いたします。 人件費や所要額見込み事業、重点事業、病院事業繰出金などは削減対象とされる一方で、投資的経費だけは実負担、上限額733億円まで目いっぱい計上する仕組みであり、たとえ有利な起債を活用するとしても、後世に借金を残すことに変わりはありません。精査・削減を目指して見直すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、行財政改革について伺います。 令和4年度当初予算編成において30億円の収支改善を達成したとされますが、その3分の1の13億円は人件費の削減によるものです。県職員の皆さんは既に令和2年度から4年間続く給与の臨時削減に協力させられており、その上、昨年末の手当削減を合わせれば、年間60億円から70億円もの負担を強いることとなります。 県職員給与を基準とする民間事業者も少なくないことから、人件費の削減は県経済にも悪影響を及ぼす大きな問題と考えますが、知事の認識について伺います。 中期財政収支見通しによると、公債費、借金返済の実負担は令和13年にピークを迎えます。これに備えるため、行財政改革行動計画終了年度の令和5年度には10億円程度のさらなる収支改善が必要とされます。しかし、その対応が県民や県職員のさらなる負担増につながることは許されません。知事はどのように収支改善を図るおつもりでしょうか、伺います。 次に、温暖化対策について伺います。 新年度予算では、脱炭素社会への転換として様々な新規施策が打ち出されています。同時に、大本となる、新潟県地球温暖化対策地域推進計画2017年から2030年の見直しが進められております。 我が党は、昨年9月、気候危機を打開する日本共産党2030戦略を発表し、省エネと再エネで2030年までに二酸化炭素を2010年度比50%から60%削減する目標を提案しています。 県の現行計画は、2030年度までに温室効果ガス排出量を平成25年度比で26%削減となっていましたが、検討結果はどうなったのでしょうか。また、その目標を達成する知事の決意について併せてお伺いいたします。 電力分野はCO2排出量の約4割を占めていることから、脱炭素を進める上で電力制度の大改革が重要となっています。 再生可能エネルギーの普及を促進するには、各地で作られる小規模な再エネ発電を有効に活用する仕組みが必要です。送電網への接続線が再エネ発電事業者の負担になっている現状を改めて、大手送電事業者の責任で設置させるなど、障害となっている送電ルールを改め、再エネを優先接続する仕組みにすべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、ZEHの普及について伺います。 省エネを加速させる上でZEHの普及は不可欠と考えますが、県が打ち出している事業は新築住宅に偏っているように見えます。多くの県民が現在の持家をリフォームして、リビングや寝室を高断熱化するだけで省エネを加速させるでしょう。 住宅リフォームによるZEH普及にも目を向けた取組を大いに進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、気候時計の設置についてお尋ねいたします。 脱炭素社会の実現は、一人一人の県民がライフスタイル、生活様式を見直し、省エネ・再エネの努力を行うことが欠かせません。そのためには、より効果的でインパクトのある啓発活動が不可欠です。 世界では、2020年9月、ニューヨークのビルに、気候変動が後戻りできなくなる1.5度の気温上昇までに残された時間を示すクライメートクロック、気候時計が設置されました。 その後、グラスゴー、ソウルなどにも大規模なものが設置され、この2月の初旬には渋谷に気候時計の設置を求める日本の若者が、クラウドファンディングで1,300万円を集めたという報道もされています。 本県として、温暖化危機をカウントダウンするクライメートクロックの設置をするなど、目に見える啓発活動を強化すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、ジェンダー平等問題についてお尋ねします。 令和2年度の本県の自殺者数は11年ぶりに上昇し、人口10万人当たり全国の16.5人を大きく上回る21.2人になり、令和3年度は山梨、青森に次ぐワースト3位と報道されました。 中でも女性の自殺者が増えています。新型コロナウイルス感染症禍が非正規雇用の7割を占める女性を直撃し、雇用止めやシフト減によって不安定な生活が強いられ、自殺リスクが高まっていると考えられます。 女性の自殺を防止するために知事はどのような対策を講じるつもりか、所見を伺います。 総務省の平成29年就業構造基本調査結果によると、本県では正規の仕事がないことから、やむを得ず非正規雇用を選択している人が16%と全国6番目に高く、女性の非正規率は51.4%と2人に1人が不安定雇用です。 本来なら正規雇用で働きたいという当然の要求がかなわないこの状況について、知事の認識を伺うとともに、女性の能力が発揮されるような雇用環境を整備するための対策について併せて伺います。 次に、同性カップルなどを婚姻と同様に扱う同性パートナーシップ制度について伺います。 同性パートナーシップ・ネットの調査によると、今年2月7日現在、既に全国153の自治体で実施され、さらに多くの自治体が実施予定、検討中とされ、富山県や岐阜県は全域での導入を検討していますが、本県は新潟市のみの実施です。 県の第4次男女共同参画プランの重点目標に多様性を尊重する環境の整備が加えられた今、県としてパートナーシップ制度の導入を行うべきではないでしょうか。知事の所見を伺います。 次に、教職員の長時間労働について伺います。 県の調査においても45時間の時間外勤務は常態化し、中学校では2割が過労死レベルの月80時間を超えています。 新たな課題の対応などで、多くの職員が6時半にタイムカードを押して、そのまま仕事を続けている、保護者との会合は公民館を使い、勤務時間に含めない、などの情報も寄せられています。仕事量は限界に達しており、働き方改革には教員を増やすしかありません。 5年生以上に残されている1クラス25人を下回らないという下限設定を今こそ廃止して、35人以下学級を完全実施し、さらに進んで30人以下学級の実現に向けて、県単独でも教員の大幅な増員を図るべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 私学助成について伺います。 私立高校の学費は、年収590万円以上の世帯で就学支援金が35万2,759円から11万8,800円へと3分の1に減額され、家庭への負担が増大する仕組みです。福井県などではこうした世帯への支援を拡充していますが、こうした例に倣って、本県でも年収590万円以上の世帯への支援を拡充すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、学校給食の無償化について伺います。 学校給食は教育の一環として実施され、子供の成長・発達を支えており、義務教育は無償とするという憲法26条2項の原則に沿って、学校給食の無料化が行われるべきと考えます。 全国では少子化対策と子供の貧困対策として給食費無償化が進んでおり、2018年の文部科学省の調査では76の自治体が実施しています。 県内でも一部無償化を実施している自治体が生まれていますが、県としても市町村と連携して、給食費の無償化に向けた支援を行うべきと考えます。知事の所見を伺います。 次に、新潟県の地域医療構想について伺います。 全国では、オミクロン株感染拡大で病床逼迫や救急搬送困難事例が増大しています。新潟県も例外ではありません。患者受入調整センターの高橋昌氏は、地元紙のインタビューに答えて、新型コロナウイルス感染症対応病床の利用率が27%といっても決して余裕があるわけではない、第6波が重なり、救急患者の受入れが滞るケースが起きていると指摘しています。 元日本医師会長も、新型コロナウイルス感染症を経験し、日頃から医療体制に余裕がないと、いざというときの対応ができない、地域医療構想の見直しが必要と見解を示しており、救われるべき命が救える余裕のある医療体制が必要です。 今、県は県央と佐渡の医療圏域で具体的な再編計画を示していますが、その内容は救急・手術の一極集中と大幅な病床削減です。県央圏域は5つの公立・公的病院で139床ないしは158床、佐渡圏域では127床も減少する計画で、両圏域とも医師偏在指標は最下位クラスなのに、一層脆弱な医療体制にしていいのでしょうか。 感染症により病院再編の見直しを求める世論が高まっている中、全国に先駆けて3つの重点支援区域指定を受け、病床削減を進めれば、地域医療の崩壊を招きかねません。 両津病院の院長は、人口は半減しているが、医療の対象となる人はほとんど変わらない、人口が少ないところは医療を減らしたり統合を進めたりしてもいいのではと考えるが、実際はむしろ増やしていかなければならないと現状を訴えています。 新型コロナウイルス感染症禍の先行きが見えず、高齢化が進み、医療需要も救急搬送件数も増加傾向にある現状では、医療構想の推進は中止すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 本県における医師不足が障害になっていることは明らかです。少ない医師を集約して働き方改革に対応するという発想を転換して、抜本的に医師を増やして持続可能な医療体制を構築することにこそ、政治と行政の責任があると確信します。 医療を縮小する医療構想で交付金を確保することを中心に置くのではなく、あらゆる手だてを講じて医師確保を進めていくべきと考えます。知事の国とのパイプも活用して、医師確保対策に全力で取り組んでいただきたいと考えますが、所見を伺います。 佐渡医療圏域は、この4月に2病院のみとなり、病床は全島で388床と急激に減少します。医師確保ができず、医療再編をせざるを得ない状況になりました。 市立病院の院長は、2年前までは想像がつかなかったことが今起こっている、今まで体験したことのないような怖さを感じている、医療が崩壊する恐怖を感じていると訴え、厚生連佐渡総合病院の院長は、佐渡地域医療・介護・福祉提供体制協議会において、看護師の確保が極めて厳しい状況、看護専門学校の入学者も減っている、佐渡総合病院でさえ現状の病床を維持できるかの状況になっていると危機感をあらわにしています。 島内で必要な医療を基本的に完結しなければならず、無医村地区も存在する佐渡には、在宅医療から急性期医療・救急に対応できる医師・看護師配置が必要です。ぜひとも県の責任で医師・看護師を確保して、佐渡に派遣を行って、佐渡の医療を守るべきと考えますが、知事の所見を伺って、一般質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 遠藤議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、国によるオミクロン株の特徴を踏まえた対策の全体像の提示についてでありますが、国は昨年11月に次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像を公表したところです。 その後、オミクロン株による感染の拡大を受け、県では、全国知事会を通じて、オミクロン株の特徴に応じた保健医療体制の構築や社会活動の継続への対応を検討し、昨年11月に公表された全体像の見直しも含め、全般的な対応方針を明確にするよう、国に対して提言を行ったところです。 県といたしましては、引き続き、国とも連携しながら感染拡大の抑制に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、新型コロナワクチンの3回目接種の遅れの原因と対策についてでありますが、現在、市町村と連携をして、3回目接種の前倒しを進めているところですが、議員御指摘のとおり、本県の18歳以上人口に対する接種率は、2月28日現在で全国が23.9%であるのに対し、本県が19.7%と大きく遅れている状況であります。 その原因といたしましては、1、2回目接種の経験を踏まえ、より効率的かつ早期にワクチン接種を完了するために、あらかじめ接種日時を指定する方式を採用する市町村が増えたことにより、度重なる国の前倒し要請の変更に柔軟な対応が困難であったことなどが挙げられます。 これまで、市町村に対して、接種券の前倒し発行や接種日程の増などを要請し、県としても、広く県民に3回目接種のメリット等を周知するとともに、大規模接種会場やワクチン接種加速化センターを設置し、接種の前倒しを支援してきたところですが、今後とも市町村と連携をし、さらなる接種の前倒しに努めてまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症の検査に係る診療報酬の見直しについてでありますが、令和3年11月12日開催の国の新型コロナウイルス感染症対策本部で、保険診療として実施されているPCR検査等について、その価格が自費検査価格に影響を与えているという指摘もある中で、実勢価格を踏まえて保険収載価格の検証を行い、その結果を踏まえて、年内を目途に必要な見直しを行うことが決定されました。これを受けて、令和3年12月8日開催の中央社会保険医療協議会において、検査に係る診療報酬点数の引下げを行うことが承認されたものと承知しております。 一方、全国的な感染の急拡大により、抗原定性検査キットの需要が急激に高まったことから、検査キットの不足が課題となるなど、その後、大きく状況が変化するという事態が生じています。 国は、本年4月から検査の診療報酬点数の引下げを行う上で、感染状況や医療機関での実施状況を踏まえるとしていることから、今後の状況を注視しながら、必要に応じ全国知事会を通じて国に要望してまいります。 次に、事業者への支援策についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化していることから、県内事業者の事業継続に向けて、元金据置期間の延長など、資金繰り支援を拡充し、セーフティーネット対策に万全を期すとともに、売上げが減少した飲食関連事業者等に対する支援金の支給や、消費喚起に向けた地域のイベントへの支援などにより、引き続き、経営を下支えしてまいります。 県といたしましては、まずは、こうした支援の積極的な活用を促すとともに、経済情勢や国の経済対策等の効果も見極めながら、国への働きかけや県のさらなる支援策の必要性について検討してまいります。 次に、防衛力の強化に関する憲法解釈についてでありますが、岸田首相が、昨年12月の臨時国会での所信表明演説において、我が国を取り巻く安全保障環境は、これまで以上に急速に厳しさを増しており、国民の命と暮らしを守るため、いわゆる敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、スピード感を持って防衛力を抜本的に強化していくと表明されたことは承知しています。 一方、この敵基地攻撃能力に関する憲法解釈について、地方自治体では、国防や安全保障環境について十分な情報を有しておりませんので、知事としての見解の表明は控えさせていただきます。 次に、非正規雇用に対する認識と、良質で安定した雇用の確保についてでありますが、非正規雇用労働者の数は、全労働者の約4割を占めており、その内訳を見ると、やむを得ず非正規雇用となっている方がいる一方で、65歳以上の方が短時間の就労を希望するケースなど、働き方の多様化が進んできた面もあるものと考えております。 国においては、こうした変化を捉え、多様な働き方に即した法制度を整備するとともに、正規雇用への転換に向けた支援や、正規雇用労働者との不合理な待遇差の解消などが進められております。 県といたしましても、引き続き、国と連携しながら、やむを得ず非正規雇用となっている方々が正規雇用に転換するための支援や、働き方改革の推進などに取り組んでまいります。 次に、佐渡島の金山の文化遺産としての価値についてでありますが、世界遺産登録の実現のためには、世界遺産委員会の審査において顕著な普遍的価値があると認められることが不可欠であります。 佐渡島の金山の顕著な普遍的価値は、16世紀後半から19世紀半ばにおいて、国家の管理運営の下、海外との技術交流が限られる中、ヨーロッパとは異なる発展を遂げ、世界に誇る質と量の金を生産した伝統的手工業による大規模かつ長期的に継続した金生産システムを示す希有な産業遺産であることでありまして、これは国文化審議会からも同様に評価していただいているところであります。 県といたしましては、この価値について国際的な理解が得られるよう、できる限りの取組を進めてまいります。 なお、議員御指摘の戦時中の歴史については、文化遺産の価値とは別のものとして議論すべきものと考えております。 次に、佐渡航路に対する県の姿勢についてでありますが、今回の出資により、佐渡汽船の事業継続に一定のめどが立つとともに、今後、みちのりホールディングスが培ってきた、様々な誘客促進や利便性向上などのノウハウが、佐渡航路をはじめ、地域全体の活性化につながることが期待されます。 県といたしましては、佐渡島の金山の世界文化遺産登録の推薦を契機とした、さらなる観光誘客を図るとともに、佐渡市民にとって、生活、経済の生命線である航路を将来にわたってしっかりと守るため、行政として責任を持って取り組んでまいります。 次に、原発事故に関する3つの検証についてでありますが、これまでもお答えしたとおり、3つの検証は期限を区切ることなく議論を尽くしていただきたいと考えております。 次に、次期知事選における公約についてでありますが、知事選の公約については今後整理してまいりますが、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働については、知事就任当初からの考えに変更はございません。 次に、新年度県予算についてお答えします。 まず、投資的経費の精査・削減についてでありますが、本県は、他県に比べ広い県土や長い河川延長といった地理的特性を有しており、それに伴い生じる必要な防災・減災対策などを実施していることに起因して、投資的経費の比重が高い土木費や農林水産業費の割合が全国を上回っているものと認識しております。 行財政改革については、これまで聖域を設けることなく、あらゆる分野の見直しを進めており、投資的経費についても公債費負担適正化計画を策定し、設定した実負担上限額の範囲内で予算編成を行うこととしており、計画策定以前と比べ大幅に実負担額を縮減したところです。 引き続き、公債費を適切に管理するとともに、そのような中でも県民生活へ過度な影響を及ぼすことにならないよう、有利な財源を最大限活用して、防災・減災対策を推進してまいりたいと考えております。 次に、人件費の減少が県内経済へ及ぼす影響についてでありますが、職員給与の臨時的削減や人事委員会勧告に基づく引下げ改定となった場合等は、所得減少による消費支出の押し下げが生じ得るため、地域経済への影響を否定できない部分もあるものと思われます。 しかしながら、職員給与の臨時的削減については、厳しい財政状況を踏まえ、給与の臨時的削減を実施しなければ、持続可能な財政運営を行うことが困難な状況であることから、職員に協力を求め、行っているものであります。 なお、今年度の給与改定では、2年連続かつ昨年度を上回る期末・勤勉手当の引下げ勧告となったことから、職員の生活への影響に配慮し、一定の軽減措置を講じたところです。 県内経済の活性化に向けては、国の有利な財源を活用し、事業費の確保を図るなどの工夫を行っているところであり、加えて、意欲ある企業の新事業展開や、より大きな市場の取り込みなどへの挑戦を後押しすることにより、企業収益の拡大や県民所得の向上を図ってまいりたいと考えております。 次に、今後のさらなる収支改革についてでありますが、県ではこれまでも、事業の見直しに当たり、市町村、関係団体と丁寧に意思疎通を図ることや、国庫補助金等の積極的な活用により県民生活や県内経済に極力影響が生じないよう努めてきたところですが、今後のさらなる収支改革においても、引き続き最大限留意しながら取り組んでまいります。 また、現時点の試算では、給与の臨時的削減の終了を考慮した上で、行財政改革行動計画の最終年度である令和5年度に10億円程度のさらなる収支改革が必要と見込んでおり、今後、給与の臨時的削減といった緊急避難的な措置に頼らずに、安定的な財政運営が実現できるよう、引き続き、歳出歳入の両面から行動計画に掲げた取組を徹底してまいります。 なお、令和5年度当初予算における具体的な見直し内容等については、今後の経済状況や国の地方財政対策の動向などを踏まえ、本年9月に中期財政収支見通しを再算定し、当初予算編成の中で検討してまいります。 次に、本県の温室効果ガス排出量の削減目標とその達成に向けた決意についてでありますが、現在、最終取りまとめ中の新潟県2050年カーボンゼロの実現に向けた戦略の検討を踏まえ、新潟県地球温暖化対策地域推進計画の改定を進めているところであり、新たな2030年度の目標を、2013年度比46%削減を目指し、さらなる高みを視野に入れることとしたいと考えております。 また、この目標を達成するため、本県の特性や課題を踏まえつつ、再生可能エネルギー・脱炭素燃料等の創出、活用、CO2排出の削減、森林整備や新たな技術開発による吸収・貯留の4つの柱の取組を県民や事業者等の御理解をいただきながら、全県一丸となって進めてまいりたいと考えております。 次に、再生可能エネルギーを優先接続する仕組みの導入についてでありますが、国では、送電線容量の制約により、発電出力の制御を行う必要が生じた場合は、再生可能エネルギーなど、運転コストが低い電源を優先的に接続する新たな方式を、本年中に導入する方向で検討を進めていると承知しております。 本県における再生可能エネルギーの導入を促進するためには、系統接続の制約を解消することが不可欠であることから、早期の課題解決が図られるよう、新たな系統運用ルールの構築について、他県とも連携しながら、引き続き国に要望してまいります。 次に、住宅リフォームによるZEH普及の取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、住宅の省エネ化を加速させる上で、新築住宅のみならず、既存住宅の断熱性能の向上等も重要であり、県では、これまでも住宅メーカーや、電気・ガス事業者等と連携をしながら、住宅の暖房・断熱対策に関する普及啓発に取り組んできたところです。 さらに、県では、雪国という本県の気候を考慮した断熱性の高い住宅として、ZEH基準を超える雪国型ZEHを普及していくこととしており、新年度から新築や既存住宅の改修の普及を行う市町村への支援や、住宅を供給する側の県内中小工務店等への支援を行うこととしております。 次に、脱炭素社会実現に向けた啓発活動についてでありますが、温暖化に危機感を持つ若者が主体となり、地球温暖化の危機をカウントダウンする気候時計の設置を進めているとの報道があったことは承知しております。 脱炭素社会の実現のためには、議員御指摘のとおり、目に見える普及啓発活動も重要と考えています。 県内大学等においても、学生が温暖化対策について学びつつ、環境イベントに出展する等の活動もあることから、新年度には、環境問題等に関心の高い学生等が主体となり波及効果の高い情報発信を行うなど、普及啓発の強化に取り組んでまいります。 次に、女性の自殺対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、令和3年の本県の自殺者数は前年より増加し、中でも女性が増加しております。 女性の自殺の背景には、経済生活問題や勤務問題、介護疲れなど、様々な問題が潜んでおり、新型コロナウイルス感染症流行の長期化で、そうした問題が深刻化し、女性の自殺者の増加に影響を与えている可能性があると言われております。 そのため、県では、今後も引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により不安やストレスを抱える方などに向けた専用相談窓口を運営するとともに、女性をはじめ支援を必要とする方々が適切な支援につながるよう、来年度新たに、相談従事者に対する研修を実施し、専門性の向上やネットワーク化を図るなど、関係機関と連携をしながらSOSを受ける体制づくりを進めてまいります。 あわせて、SNSを活用して女性等をターゲットとした、こころの相談ダイヤルの周知を図るなど、ためらわずにSOSを発することができる社会づくりに努めてまいります。 次に、女性の雇用環境の整備についてでありますが、本県の女性の非正規雇用比率は51.4%と、全国の56.6%より低い状況ですが、議員御指摘のとおり、やむを得ず非正規雇用となっている方が高い割合となっていることは、課題として受け止めております。 そのため県では、非正規雇用者などを対象としたITスキルの向上や、国家資格等の取得のための職業訓練などを実施するとともに、キャリアカウンセリングを含めた就職支援を行っているところです。 あわせて、女性が働きやすい労働環境の整備を促進するため、事業主に対して、先進的な取組事例や各種支援策に関する情報と、専門家によるアドバイスの機会を提供するとともに、新たなキャンペーンを展開することにより働き方改革を推進し、本県が女性から働く場として選ばれるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 次に、同性パートナーシップ制度の導入についてでありますが、同性パートナーシップ制度の導入には、性に関する多様性を多くの人が認識し、理解を深めるなど、社会全体が多様性を尊重する環境づくりが重要なことから、まずはこれに向け、県民の意識醸成に努めてまいりたいと考えております。 このため、新潟県人権教育・啓発推進基本指針及び令和4年度以降を計画期間とする次期新潟県男女共同参画計画に基づき、様々な機会や多様な媒体を通じた広報・啓発活動等に取り組んでまいります。 次に、私立高校生の学費軽減についてでありますが、本県私立高校生の学費は、県が私立高校に対し経常経費の2分の1助成を行っていること等により、全国でも低い水準となっており、年収590万円以上の世帯に対し国や各県が行っている支援を控除した後の授業料負担も、全国中位程度となっています。 本来、私立高校生への学費支援は、国の責任において恒久的制度により行われるべきものであり、県としては、国の制度を補う形で低所得者世帯等に対する上乗せ支援を行うとともに、これまで国に対して一層の制度拡充を要望してきたところです。 今後も、国に対して制度の拡充を働きかけるとともに、国の動きや他県の助成水準等を考慮しながら、県としての支援の在り方を検討してまいりたいと考えております。 次に、地域医療構想についてお答えをします。 まず、地域医療構想の推進についてでありますが、本県が進めている地域医療構想は、病床削減を目的としたものではなく、人口構造の変化に伴う医療ニーズの変化や、医師の働き方改革などに対応するため、地域の中核病院の機能を強化するとともに、周辺病院も含め、その役割に応じて、新たな感染症にもしっかり対応できる、持続可能で質の高い医療提供体制の構築を進めるものであります。 なお、国は、都道府県に対し、新型コロナウイルス感染症対応により病床の機能分化・連携等の重要性が改めて認識されたことを十分に考慮の上、2023年度までに地域医療構想に係る各医療機関の対応方針の策定や検証などを行うよう求めているところです。 これらを踏まえ、県といたしましては、現在の地域医療構想に沿って、引き続き取組を進めてまいりたいと考えております。 次に、医師確保対策についてでありますが、県では、医師不足解消に向けて、定着率が高い医学部地域枠の新設・拡大を行い、令和4年度は前年度より20名増となる7大学53名としたほか、臨床研修医の確保に向けて、研修病院における魅力向上の取組に加え、県独自の研修コースや市町村と連携した海外留学支援等に取り組み、今年度のマッチ者は、昨年度より22名増加の120名となりました。 しかしながら、医師不足解消の見通しは道半ばであると考えており、さらなる地域枠の拡大や臨床研修医等の確保が必要と考えております。 一方、制度的対応など国でなければできないことも多いことから、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会などを活用し、実効性のある偏在対策につながる抜本的な制度改革の実現について、国に強く働きかけてきたところであり、地域医療介護総合確保基金の医師少数県への重点配分方針が示されるなど、一定の成果も出ているところであります。 今後も、医師確保に全力で取り組んでまいります。 次に、佐渡医療圏における医療提供体制についてでありますが、佐渡医療圏は、医療を取り巻く環境が大きく変化する中、重点支援区域に対する国の技術的支援を活用しながら、持続可能な医療提供体制の構築に向けた医療機能再編を行うほか、慢性期機能の縮小を補完するために、医療と介護の連携強化などを行うことについて、昨年12月に開催されました佐渡地域医療構想調整会議で合意がなされたところです。 県としましては、引き続きリーダーシップを発揮しながら、佐渡医療圏における持続可能な医療提供体制の実現に向けて、佐渡市をはじめとした島内関係者と連携をして取組を進めてまいります。 加えて、県では現在、医学部地域枠の拡大や臨床研修医の確保、看護職員の修学資金の貸与など様々な取組により、医師や看護職員の確保等に取り組んでいるところであり、こうした取組をより一層進めることで、佐渡医療圏をはじめ各圏域における医療人材の確保につなげてまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 3点お答え申し上げます。 新型コロナウイルス感染症の検査強化等についてでありますが、県では、広域型の地域外来・検査センターを昨年12月南魚沼市に1か所増設し、現在計6か所で運営しており、診療・検査医療機関は現在658か所設置するなど、検査体制の確保に努め、ピーク時には週2万3,000件余りの検査を実施しています。 引き続き、医療機関等と連携した検査・診療体制の強化に向け、広域型の地域外来・検査センターの新設や診療・検査医療機関の拡大に取り組んでまいります。 一方、検査キット不足が課題となっており、現在、検査に関して一定の選択と集中が必要な状況となっていると認識しております。 このため、感染リスクの高い、医療機関を受診する発熱患者用の検査キットの配布が最優先となるよう関係者に働きかけるとともに、重症者が多数発生するリスクの高い、医療機関、高齢者施設、障害福祉施設に対して検査キットを配布し、症状を有する方への早期検査や定期的な一斉検査を行うなど、早期発見の必要性が高い方に優先的に検査が行き渡るよう対応してきたところです。 また、自宅療養者数については、第5波の最大923名に対して、第6波は最大3,972名と大幅に増加していますが、医師会や新潟大学等に御協力いただき、オンライン診療体制を強化するとともに、看護師等を60名程度増員して健康観察を強化し対応しました。 今後も自宅療養者の支援体制を強化するとともに、現在の感染状況や検査資源の供給状況においては、優先順位を見極めながら必要性の高さに応じて検査を実施できるよう対応してまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症の影響による医療機関の減収補填等についてでありますが、県では、これまでも新型コロナウイルス感染症患者のため空床を確保する病院に対する減収補填や、病院や診療所に対する、院内での感染拡大を防ぐための取組への支援等を行ってきたところであり、引き続き必要に応じて国の施策を活用しながら支援に取り組んでまいります。 次に、高齢者や障害者の入所施設等に対する、感染症対策への支援についてでありますが、高齢者施設等においては、日々、重症化リスクの高い入所者等の介護等を行っており、感染症対策は極めて重要であると考えております。 このため、県では、日常的な感染症対策に必要となるマスクや手袋などの衛生資材や、早期発見に有用な抗原検査キットについて、国から提供を受けたものと併せ、感染症発生時のリスクを考慮しながら、各施設に配布しているところです。加えて、施設等で新型コロナウイルス感染症が発生した場合は、衛生資材等の不足状況を把握し、必要な資材を追加配布しております。 また、従事者用宿泊施設についても、市町村の申出に応じて順次確保しているところです。 県といたしましては、今後も高齢者施設等において適切な感染対策を行うことができるよう、事業者や市町村と情報共有を行いながら、支援を継続してまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 2点についてお答えいたします。 教員の増員についてでありますが、義務標準法の改正により、今年度から加配定数から基礎定数への振替により、小学校で段階的に35人以下学級の実施が進められております。 本県における少人数学級は、振替の対象となる加配定数を活用して行っていることから、小学校5年生以上の下限撤廃については、当面、加配措置状況を確認した上で判断すべきと考えております。 教職員の多忙化解消や教育の質の向上に向けた人的配置の充実は重要であると認識しており、加配措置の充実など、教職員定数の拡充については、引き続き国に要望してまいります。 次に、学校給食の無償化についてでありますが、無償化の取組は、少子化対策、経済的負担の軽減などを目的として、各市町村の判断で実施しており、本県においては、完全無償化している市町村はありませんが、学校給食費を一部無償化している市町村は、昨年度から1村増え5市町村と承知しております。 一方、経済的に困窮している保護者に対しては、就学援助制度により学校給食費の支援が行われており、昨年度、県内では約15%の児童生徒が対象となっています。 なお、学校給食の無償化については、国では、一義的には給食を実施する市町村が判断するものとの見解を示しております。   〔遠藤玲子君登壇〕 ◆遠藤玲子君 1点再質問させていただきます。 佐渡の医療体制についてですけれども、佐渡は医師と看護師が確保できず、このままいけば医療崩壊になってしまうと。現場の声が非常に逼迫しておりまして、佐渡市と厚生連の力では医師と看護師も島内に確保できないといった現状を訴えられているわけです。 佐渡の医療は、やっぱり医師と看護師を佐渡に派遣しなければ守れないというふうに思います。やはり県が採用して、佐渡に医師・看護師を派遣するといった制度を今から考えていかないと、本当に佐渡は医療崩壊してしまうのではないかと思います。 そこで、どうか県の力で佐渡の医療を守るために、県から医師・看護師、その人材を派遣するというふうな検討をしていただけないかという要望が強いわけです。この点について、知事の見解をもう一度伺いたいと思います。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 遠藤議員の再質問にお答えしたいと思いますが、まず佐渡の医療圏で持続可能な医療提供体制を確保するということは、これは論をまたず重要なことであり、持続可能な医療提供体制の確保のために関係者が最大限努力をしていくということは当然のことだと思っています。 現在、佐渡の地域医療構想調整会議の中で、関係者がどういう形で佐渡の医療圏の医療体制を構築していくかということについて、まさに検討していただいているところでございますので、県としてはその議論の中で最大限の役割を果たしてまいりたいと思います。 ○議長(佐藤純君) 遠藤玲子君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時2分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時5分 開議 ○副議長(小島隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、青木太一郎君の発言を許します。青木太一郎君。   〔青木太一郎君登壇〕(拍手) ◆青木太一郎君 皆様、お疲れさまでございます。私は、無所属の青木太一郎でございます。 時は春、弥生3月、寒い冬から逃れ、次第に春の足音が聞こえるようになり、本来ならば、何とはなしに生気が体に満ちて、諸事万般が希望的に、しかも心ときめく季節の訪れを皆さんと共に喜ぶところでありますが、依然として新型コロナウイルス感染症の収束は先が見えず、我が国の経済状況は国民ひとしく頭を抱えており、不安が募る日々が続いております。 それでも、忍従の冬、いつ果てるとも知れず、しかし冬来たりなば春遠からじと申します。このような大変厳しい状況にある中においてこそ、県民の皆様にとって元気の出る質問、力の湧いてくるような質問、将来性に富んだ質問をと強く思うところであります。 今日は3月3日、五節句の一つ、楽しいひな祭りを過ごせることを祈りながら、県政も今年はとら年に倣って、厳しい冬を乗り越えて、前に前にと力強く動き出し、万事がよりよく、県民を養えるようなすばらしい年でありますことを念じております。 質問項目につきましては、若干視点と角度を変えながら、虚心坦懐に、額に汗して働く県民の一人として、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向けて日々邁進されておられる花角県政への提言、箴言並びに激励を込め、簡潔明瞭なる御質問を申し上げたいと存じます。しばらくの間、御清聴、御協力を賜りますようにお願いをいたす次第であります。 さて、先日、花角知事は5月の知事選挙に向けて再選出馬の決断をされました。花角知事におかれましては、知事就任以来、県内各地を回り、いろんな方々とお話しされ、また豊富な人脈を生かして本県の実情を訴え、厳しい財政状況の中、細かいところにも目配りされた予算を編成し、知事が先頭となり、県職員一丸となって施策を実行されておられる方々にまず感謝申し上げます。 それでは、これまでの花角県政の大きな成果の一つである佐渡金山に関する質問からお伺いいたします。 去る2月1日、政府は佐渡島の金山を世界文化遺産の候補としてユネスコに推薦しました。花角知事は、知事就任以来、関係者と共に世界遺産登録に向けて大いに力を尽くされ、喜びもひとしおのことと推察いたします。今回の推薦について、初めに花角知事の御所感をお伺いいたします。 次に、ユネスコへの推薦により、佐渡島の金山の世界文化遺産への登録の実現に大きく前進いたしました。もう一踏ん張りというところかと思いますが、登録に向けた知事の意気込みをお伺いいたします。 また、登録に向けては、佐渡島の金山の価値について国際的な理解が得られるよう丁寧に手続を進めていく必要があろうかと考えますが、登録に向けた課題と対応についてお伺いいたします。 さて、先般、佐渡島内で最大規模の老舗ホテルが事業を停止したとの報道があり、大変驚きました。コロナ禍で佐渡の観光産業は深刻な打撃を受けております。今回のホテルの一件はその影響が表面化したものと思われますが、佐渡の観光産業の現状と観光客の受入れ体制への影響について、知事の御認識をお伺いいたします。 また、今回のユネスコへの推薦により、観光客の増加が見込まれることから、観光客の受入れ体制整備がより重要となるものと考えますが、花角知事の御所見をお伺いいたします。 さて、佐渡の金銀山は佐渡島民はもとより、本県全体にとっての宝でもあります。新潟県における佐渡島は世界的な知名度のある一つのブランドでもありますので、世界文化遺産ともなれば、世界各国から佐渡を訪れる人が増えることはまず間違いがありません。 花角知事が常々おっしゃっておられるとおり、佐渡の金銀山を佐渡だけでなく新潟県の活性化につなげていくことが必要と考えますが、新潟県全体の観光の活性化とどのようにつなげていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、交通等についてお聞きいたします。 まず初めに、佐渡汽船に関する質問をいたします。 佐渡への誘客において佐渡汽船は重要な役割を担っておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響で観光客が大きく減少した影響を受けて、非常に厳しい経営状態が続いております。 こうした中で、先頃、地方のバス事業など公共交通の運営の実績が豊富なみちのりホールディングスと佐渡汽船との間で出資契約が結ばれたとの発表がありました。今後はみちのりホールディングスが佐渡汽船の筆頭株主となり、同社が佐渡汽船の経営において中心的な役割を果たすことになりますが、今後の佐渡汽船の経営に対する県の関与について、その方針をお伺いいたします。 また、今後、みちのりホールディングスの持つ様々な知見やノウハウが佐渡汽船の運営に取り入れられていくものと思われますが、新たな体制の下でどのようなサービスの展開を期待しておられるのか、花角知事の御所見をお伺いいたします。 続いて、佐渡空港についてお聞きいたします。 佐渡は世界にも通じるブランド名であり、したがって、コロナ後のインバウンド需要の取り込みに向け、佐渡空港を拡張し、滑走路2,000メートル化を進める必要があると考えます。 私が黒埼町長時代には、国の事業、県の事業について率先して解決に向かわせ、また交渉の先頭に立ってきたわけでありまして、そうした経験を踏まえますと、地元の佐渡市が中心となって、用地交渉等は県とも十分連携し、調整を進めているとは思いますが、ある程度の段階になったら知事にも御登場していただいて、現状を打破していくことが望ましいと思います。 地元の悲願である滑走路2,000メートル化に向けて、県の主体的な関わりを期待していますが、県ではどのように対応していかれる方針か、お伺いいたします。 続いて、佐渡空港の路線再開についてお伺いいたします。 ユネスコへの推薦により、佐渡への観光客の増加が見込まれますので、まずはトキエア就航による佐渡空港の路線再開に向けた取組を早急に進めていく必要がありますが、今後の見通しをお伺いいたします。 あわせて、その実現に向けた県の姿勢についてもお伺いいたします。 続いて、新潟空港についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響で多くの路線が運休するなど、新潟空港を取り巻く状況は厳しいものがありますが、明るい兆しも見えてきております。 先日、フジドリームエアラインズから、新潟空港と神戸空港とを結ぶ定期便を開設すると発表がありました。新潟-神戸便は2008年以来、約14年ぶりの路線再開となり、関西方面との結びつきがより強固なものになります。また、今年はトキエアの新規就航も予定されております。このように新潟空港に新たな動き、明るい兆しも出てきております。 こうした中で、県は地元にとって望ましい空港の在り方やその実現に向けた道筋を議論するため、新潟空港将来ビジョン検討協議会を設置すると発表されました。明るい兆しが見えてきた状況で新潟空港将来ビジョン検討協議会における議論が始まることは、時宜にかなったものと考えますが、改めて検討協議会の設置の目的と期待する成果をお伺いいたします。 次に、仙台空港での成功を契機に、全国の空港でコンセッション導入の動きが進められておりますが、新潟空港の活性化においてもコンセッションは有力な選択肢であると考えます。新潟空港将来ビジョン検討協議会における活発な議論に期待するところでありますが、検討の方向性についてお伺いいたします。 次に、脱炭素の取組についてお聞きいたします。 本県は、日本最長の美しき大河である信濃川、広大な流域と長大な流路を持つ阿賀野川など、越後平野を潤す豊かな水資源に恵まれております。 新潟県の水力発電というものは、終戦後の初代知事であります岡田正平知事が非常に力を入れたことは、私が中学生時代からニュースで聞いているわけであります。今まさに脱炭素社会への転換が求められており、こうした水資源をさらに活用しない手はありません。 私は以前から本県の豊かな水資源を生かすために、農業水利施設を利用した小水力発電の普及等について質問を行ってきたところでありますが、本県の農業水利施設を活用した小水力発電がどの程度普及してきているのか、導入状況をお伺いいたします。 また、新年度予算においては導入促進に向けてどのような展開が図られるのか、お伺いいたします。 次に、脱炭素の実現に向けた道のりは決して平たんではありません。意外なものからも温室効果ガスが排出されております。農業県でもある本県において気にかかるのが、水田からのメタンガスであります。 県では、水田の温室効果ガスの削減に向けた研究に取り組んでおられますが、本県の農林水産業における温室効果ガス排出の特徴と今後の脱炭素に向けた取組をお伺いいたします。 次に、村上市及び胎内市沖の洋上風力発電に関する法定協議会の初会合が開かれ、出席者から漁業等への影響を懸念する声が上がっております。促進区域の指定に向けた期待が高まる一方で、指定に向けては地元の理解が不可欠となりますが、関係者の理解促進に向けた今後の取組についてお伺いいたします。 次に、昨年度から新潟港においてカーボンニュートラルポートの形成に向けた検討が行われています。新潟港におけるカーボンニュートラルポートの検討は、本県の拠点性の向上にもつながる可能性があり、取組の進展に大いに期待しておりますが、今年度も検討会において検討が重ねられているものと認識しておりますが、検討状況についてお伺いいたします。 また、今後どのような取組が具体化されていくのかもお伺いいたします。 また、脱炭素社会への転換は、県内企業にとって大きなビジネスチャンスであります。新潟県カーボンニュートラル産業ビジョンにおいても、今後拡大が見込まれる大規模洋上風力やバイオマス発電等に関連する運転管理や保守点検の産業の育成を目指すこととしております。 新年度、工業技術総合研究所の在り方の検討を進めるとのことでありますが、検討においてはこうした時代の変化を的確に捉え、県内企業のビジネスチャンスを広げる観点から検討を進めるべきと考えますが、花角知事の御所見をお伺いいたします。 次に、農林水産業についてお聞きいたします。 2021年産新潟一般コシヒカリのJA仮渡金は、2年連続で前年に比べて大幅な減少となりました。コロナ禍で需要が上向かない状況を反映したものであり、農業経営に与える影響は大きいと考えますが、生産者の状況についての認識と今後の対応についてお伺いいたします。 次に、山形県はいち早く園芸振興に力を入れ、野菜と果実の産出額は本県を大きく上回っております。農業産出額の総額でも平成30年に本県を上回りましたが、これは西蒲原の農家の皆さんも大変驚いておられました。 米の一本足打法からの脱却が本県農業の課題であり、県でも令和元年度に園芸振興基本戦略を策定し、販売額1億円規模の園芸産地の創出に取り組んでこられましたが、これまでの成果と課題をお伺いするとともに、今後の取組方針について知事の御所見をお伺いいたします。 次に、本県の園芸振興に当たりましては、枝豆やルレクチエなどの本県園芸の牽引役となる品目のトップブランドの確立が有効であります。しかしながら、トップブランドの確立はたやすいことではありません。 私は、黒埼町長に就任させていただいた後、自らを黒埼町営業本部長と呼び、当時無名であったくろさき茶豆の販路開拓に県内外を奔走いたしました。国、県、諸団体、地域の農家の皆様のお力で知名度も上がり、本県GI登録第1号として登録されましたが、ひとえに関係者の長年にわたる努力・苦心のたまものであります。 トップブランドの確立に向けては、やはり中長期的な視点に立って取り組んでいく必要があるかと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 さらに、2021年の全国の農林水産物・食品の輸出額は初めて目標とする1兆円を超えました。9年連続で前年を上回っておりまして、コロナ禍にもかかわらず、2021年は前年から25%以上の大幅な伸びとなっており、その勢いが続けばさらなる増加も期待できるものと考えます。 人口減少の影響で国内需要の拡大が見込めない中、海外へ販路を開拓していくことは非常に重要であると考えますが、県産農林水産物の輸出の現状についてお伺いいたします。 次に、花角知事は新潟ブランドの発掘・育成・セールスに全力を挙げると表明され、県産品の輸出促進に向けて積極的に取り組む方針を示してこられましたが、県産農林水産物の輸出に向けた取組のこれまでの成果と課題をお伺いいたします。 また、県では今年度、県産農林水産物輸出拡大実行プランの策定を進めておりますが、来年度以降の取組の方向性をお伺いいたします。 次に、ICT技術の活用は生産性の向上による、もうかる農業の実現につながるとともに、農業従事者の負担軽減や担い手の確保にもつながっていくものと考えます。これからは、もうかる農業、若い人に魅力を感じていただけるような農業経営というものを目指さなければなりません。 こうした観点から、農業にはICT技術を積極的に導入していく必要があると考えますが、これまでの取組の成果と新年度の取組についてお伺いいたします。 最後に、健康づくりとスポーツ振興についてお聞きいたします。 私も今年で84歳になりますが、皆様の御支援、御協力のおかげで元気に政治活動を続けさせていただいております。そして、この年になりますと、何よりも健康で長生きすることの大切さを心から実感し、両親に敬意を表し、多くの関係者に感謝している次第であります。 健康寿命が延びる、健康で日常生活を過ごすことができるということは、何物にも代え難いものであります。 県では、これまで健康立県の実現を目指す取組を進めてこられましたが、これまでの取組の成果と課題をお伺いいたします。 あわせて、健康寿命の延伸に向けては、働き盛りの現役世代のうちから健康づくりに取り組んでいくことが重要でありますが、今後の取組の方向性をお伺いいたします。 また、子供の頃からの生活習慣、運動習慣というものも大切であります。スポーツ庁の調査では、本県の児童生徒の体力・運動能力は全国上位となっており、大変すばらしいことだと考えますが、この要因をどのように分析しておられるのか、お伺いいたします。 また、コロナ禍で児童生徒の健康状態の悪化が懸念されますが、今後、体力や運動能力の向上に向けてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 次に、昨年の東京オリンピック・パラリンピックは、新型コロナウイルス感染症拡大下で無観客での開催となりましたが、本県関係選手は過去最多の17人が参加し、パラリンピックにおいては競泳の山田美幸選手が銀メダル2つ、マラソンの永田務選手が銅メダルを獲得するなど大活躍し、大変誇らしい思いがいたしました。 また、先頃閉幕した北京オリンピックにおいては、日本勢は冬季オリンピックとしては最も多い18個ものメダルを獲得されました。 本県出身の平野歩夢選手は、県勢初の金メダルを獲得、日本人初の3大会連続のメダル獲得となりました。スケートボードで東京五輪に出場してから僅か半年、前人未到の大技を次から次へと繰り出して、鮮やかなる逆転劇には、新潟県民のみならず、全国民が固唾をのみ、大きな感動を巻き起こしました。 また、冨田せな選手もスノーボードのハーフパイプでの日本女子で初めてのメダル、銅メダルを獲得しております。約2年前に大けがを負ったという会場で、恐怖を克服し、大きく飛躍されました。 明日からは北京パラリンピックが開催となり、出来島桃子選手が出場される予定となっております。御活躍を祈念いたします。 さて、東京オリンピック・パラリンピック、北京オリンピックにおいて、本県関係選手が大いに活躍をいたしました。後に続く選手を輩出していくため、ジュニア世代のスポーツ人口を増やし、裾野を広げる必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。 さらに、オリンピック・パラリンピックにおける本県関係選手の大活躍により、本県への注目も高まっているのではないかと考えております。本県での大会の開催や合宿の誘致により、競技者も大いに刺激を受け、本県の競技水準のさらなる向上も期待できるほか、交流人口の拡大にも貢献するのではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。 最後の質問となりますが、新年度から観光文化スポーツ部においてスポーツ振興に取り組まれることになります。組織改正に込めた思いと今後の取組の方向性をお伺いいたします。 さらに、花角知事は常々、発想は大胆に、実行は緻密にとおっしゃられ、着実に成果を上げてこられました。陳情で私のお会いする方々は、花角知事の温かい人間性と豊かな識見、包容力と先見性、決断力、実行力を兼ね備えた実力が、極めて高い信望、評価につながっております。 さて、本県の行財政は依然として累卵の危うき状況であり、予断を許しませんが、苦難福門、聡明闊達なる花角知事を先頭に、関係部局長の皆さんはもちろんのこと、実戦部隊にある県職員の皆様共々、あらゆる英知と総力を結集して、新型コロナウイルス感染症に立ち向かい、新しい景気の兆しを呼び込む施策により、県勢の進展と県民の医療・福祉の向上を図り、我が新潟を背負う青少年の瞳がらんらんと輝くような、夢、ロマンのある子供たち、ああ、我がふるさと新潟に生まれてよかったなと、ほのぼのとした情感が生まれ来るような、住んでよし、訪れてよしの新潟県実現のため、花角知事の持てる力を大いに発揮され、新潟県営業本部長として、また名君として歴史に必ず残る名知事として大活躍されますことを大いに御期待申し上げ、元気よく提言、箴言を申し上げつつ、御質問を終了いたします。御清聴誠にありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 青木議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、佐渡島の金山のユネスコへの推薦についてでありますけれども、世界遺産登録を目指し20年余りにわたり取組を続けてきた本県にとって、大変大きな前進であり、うれしく思っております。 長年にわたり御尽力された関係者の皆様、御支援いただいた県議会、県民の皆様に心より感謝を申し上げます。 一方では、ようやくスタートラインに立ったということも現実でございまして、世界遺産登録の実現に向けて、様々な課題にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 次に、世界遺産登録に向けた対応等についてでありますが、佐渡島の金山の世界遺産登録は、今申し上げましたように、県民の悲願であり、その実現に向けて全力で取り組んでまいります。 今後は、佐渡島の金山の文化遺産としての価値について、国際的な理解を得ることが重要であり、県といたしましては、国や佐渡市とより一層緊密な連携を図りながら、ユネスコ世界遺産委員会の構成国等を対象にした情報発信など、できる限りの取組を進めてまいります。 次に、佐渡の観光産業の現状と受入れ体制についてでありますが、佐渡観光については、新型コロナウイルス感染症の影響により、コロナ前と比べて入り込み者数が大幅減となるなど、議員御指摘のとおり、宿泊等の観光産業にとって厳しい状況が続いているものと認識しております。今回のホテルの事業停止は、その状況の厳しさの一つの表れであると考えております。 県といたしましては、佐渡を含む県内宿泊事業者等の業績の回復と安定につなげられるよう、これまでも実施してまいりました県民宿泊割引等の観光需要喚起策について、感染状況等を踏まえながら、機動的に実施してまいりたいと考えております。 また、世界遺産登録の国内推薦決定とその先にある登録実現をきっかけとして、多くの観光客に訪れていただきたいと考えており、佐渡市等と連携をして、積極的に佐渡観光をPRするとともに、受入れ体制の整備に取り組んでまいります。 次に、佐渡の金銀山と本県観光の活性化についてでありますが、議員御指摘のとおり、普遍的な文化的価値を有する佐渡島の金山を観光振興の面で生かすことは、佐渡のみならず、県全体の活性化を進める上で大変重要であると考えております。 県といたしましては、新潟市や上越市を経由して佐渡を訪れる観光客が、佐渡にとどまらず、県内各地を訪れ、様々な魅力に触れていただきたいと考えており、引き続き、市町村や旅行会社等関係機関と連携をし、佐渡を含む広域を周遊する商品造成の働きかけなどの取組を進め、本県の自然、上質な食文化、伝統文化などの魅力の発信を強化することで、県全体の観光の活性化につなげてまいりたいと考えております。 次に、交通についてお答えをいたします。 まず、佐渡汽船への今後の関与についてでありますが、県といたしましては、これまで同様、佐渡市民にとって、生活、経済の生命線である佐渡航路の維持確保に向けて、行政として責任を持って関与してまいります。 また、みちのりホールディングスが陸上交通において培ってきたノウハウを生かして、MaaSなどによるデジタル化や、広域的な誘客促進など、新たなサービスを展開していくことを期待しております。 次に、佐渡空港の2,000メートル化に向けた県の対応についてでありますが、地権者からの同意取得については、地元自治体である佐渡市が主体となって取り組んでいるところであり、県といたしましては、今後も佐渡市と十分調整しながら進めてまいりたいと考えております。 次に、新潟空港将来ビジョン検討協議会の設置目的と期待する成果についてでありますが、議員御指摘のとおり、新たな動きが具体化しつつある中、トキエアの新規就航や路線ネットワーク拡充による旅客数の増加も見据えながら、地元にとって望ましい新潟空港の絵姿や、その実現に向けた道筋を示すことを成果として期待しつつ、官民を挙げた議論の場として設置したものであります。 次に、脱炭素の取組についてお答えをします。 工業技術総合研究所の在り方の検討についてでありますが、議員御指摘のとおり、脱炭素社会への転換やデジタル化の進展等、社会経済環境の変化に伴って、新たなビジネスチャンスが生まれております。 工業技術総合研究所は、これまでも試験・分析や研究開発を通じて技術の高度化や競争力の強化を後押しするなど、県内企業がビジネスチャンスをつかむためのサポート役として役割を果たしてまいりました。 新年度におきましては、今後も、工業技術総合研究所が県内企業のビジネスの拡大に貢献し続けるため、ポストコロナに向けて求められる機能や役割について、市場動向や企業ニーズ等を把握、分析しながら、検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、農林水産業についてお答えをいたします。 まず、園芸振興基本戦略の成果と課題を踏まえた今後の取組方針についてでありますが、戦略策定以降3か年の取組により、販売額1億円以上の産地数や栽培面積、新たに園芸を開始した農業者はいずれも増加傾向にあり、これまで関係者の御努力でまかれた種が、着実に芽吹いているものと認識しております。 戦略策定以降、各産地は課題を明確にし生産拡大に取り組んでおりますが、中には、課題解決のためのノウハウが不足し、成果につながっていない産地も見られます。 このため、今後は各産地の課題解決に向けて、担い手確保の仕組みづくりや、生産の団地化あるいは共同化など、これまで得られた先進事例の横展開を進めながら、目標達成に向けて取組を加速してまいります。 なお、令和3年の実績については、農林水産部長からお答えをいたします。 次に、本県における園芸品目のトップブランドの確立に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県の園芸振興を図るためには、牽引役となる品目を全国に通用するトップブランドとして確立することにより、園芸産地としての本県のイメージを高めていくことも有効であると考えています。 このため、園芸振興基本戦略に基づき、首都圏等で評価の高い枝豆、ルレクチエ等の牽引役となる品目について、ブランドへの信頼の基本である食味・品質を重視した生産をさらに進めてまいります。 また、流通事業者等と連携したプロモーション等により、品目の特徴や魅力について物語性を付与した情報を発信するなど、トップブランドの確立に向けた取組を一層推進してまいりたいと思います。 次に、県産農林水産物の輸出に向けた取組の成果と課題、来年度以降の取組の方向性についてでありますが、県ではこれまで、米を中心に、国内外の事業者と連携をして輸出ルートの開拓や現地プロモーション等に取り組み、本県産米の輸出額は、東日本大震災以降で約12倍と、国全体の輸出額の伸び率を上回って増加しております。 一方、輸出拡大に向けた課題として、輸出に関心を持つ生産者が少ないことや、園芸品目では、輸出向けに確保できるロットが限られ、安定した商流を確立できないことなどが考えられます。 このため、現在、策定を進めております県産農林水産物輸出拡大実行プランでは、輸出に取り組む生産者等を増やす環境づくりや、商流・物流を担う流通事業者等との連携による輸出ルートの構築を支援するなど、輸出拡大に向けた取組を一層進めていくこととしております。 次に、健康づくりとスポーツ振興についてお答えをいたします。 組織改正に込めた思いとスポーツ振興に向けた取組の方向性についてでありますが、観光文化スポーツ部は、スポーツも本県の重要な交流資源として捉え、交流人口拡大に向けた施策を一体的に実施し、全国や世界から人々が訪れる魅力ある地域の実現を目指すため、観光・文化・スポーツを所管する組織を集約し、推進体制の強化を図ることとしたものです。 また、スポーツ振興についても重要な施策であることから、新たな組織の名称に「スポーツ」という言葉を入れたところであり、その一層の推進を図ってまいりたいと考えております。 新年度におきましては、これまでと同様、競技力向上や生涯スポーツの推進を施策の柱としたスポーツ振興にしっかり取り組むとともに、新たに、県内でのスポーツ合宿の促進など、交流人口拡大とスポーツ振興の相乗効果が図られるような取組を進めてまいりたいと思います。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) 2点についてお答えいたします。 ジュニア世代のスポーツ人口拡大についてでありますが、オリンピック・パラリンピックなどでの本県関係選手の活躍は、県民のスポーツへの関心を高めるとともに、ジュニア世代の憧れや目標となることで競技力の向上にもつながり、本県のスポーツ振興に寄与するものと考えております。 そうした世界で活躍する選手を輩出するためには、競技力強化と併せ、議員御指摘のとおり、ジュニア世代のスポーツ人口を増やしていくことが重要と考えております。 このため、県では、世界で活躍が期待できる選手の活動を支援し、その活躍により子供たちの競技への関心を高めるとともに、幼児期に楽しく体を動かす運動遊びが経験できる環境づくりや、小学生を対象としたスポーツ体験イベントの開催などにより、スポーツ人口の拡大を図ってまいりたいと考えております。 次に、スポーツの大会開催や合宿誘致の取組についてでありますが、新たに設置する観光文化スポーツ部では、スポーツを資源として交流人口の拡大に向けた施策を一体的に推進するとともに、スポーツ振興の一層の推進を図ることとしております。 議員御指摘のとおり、本県での大会開催や合宿誘致につきましては、まさに交流人口拡大とスポーツ振興の両面での効果が期待できると考えております。 そのため、新年度におきましては、県外から選手を招致して大会開催や合宿を実施する県内競技団体への支援や、県内におけるスポーツ合宿の宿泊費助成などの取組を新たに実施したいと考えております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) お答え申し上げます。 健康立県の実現に向けた取組の成果と課題、今後の方向性についてでありますが、県では、健康立県の実現を目指し、令和元年度より関係団体と連携してヘルスプロモーションプロジェクトを進めており、からだがよろこぶデリの販売数や公式ツイッターのフォロワー数が順調に増加したことなどから、認知度は徐々に向上しているものと認識しております。 一方、取組開始前のものでありますが、直近のデータによると、本県の令和元年の健康寿命は、男女ともに全国中位にとどまっております。そのため、働く世代をメインターゲットとして取り組んでいる健康立県のヘルスプロモーションを一層強化し、市町村や関係団体と連携した取組や地域ごとでの県民運動の取組を進めて、健康寿命の延伸につなげていくことが重要と考えております。 県といたしましては、企業と連携した運動習慣の定着を推進するほか、からだがよろこぶデリが、より手軽に購入できるよう販売店の増加や商品の充実を図るなど、健康づくりに取り組みやすい環境整備や、県民への意識の浸透を図ることにより、健康立県の実現を目指してまいります。   〔産業労働部長佐野哲郎君登壇〕 ◎産業労働部長(佐野哲郎君) お答えいたします。 洋上風力発電に対する関係者の理解促進の取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、洋上風力発電の促進区域への指定に当たりましては、地元の理解が不可欠でございます。 1月に開催した第1回協議会においては、様々な御意見をいただいたところであり、関係者の懸念を解消するため、解決策について専門家の意見も聞きながら、真摯に対応を検討するとともに、地元関係者への丁寧な説明に努め、理解促進に努めてまいります。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) 5点についてお答えします。 本県農林水産業における温室効果ガス排出の特徴と今後の脱炭素に向けた取組についてでありますが、農林水産分野における温室効果ガスの排出状況は、全国では畜産由来が約3割と最も多く、一方、水田農業が主体の本県では、稲作由来が5割強となっているといった特徴があります。 県では、2050年カーボンゼロの実現を目指した取組を積極的に進めていくこととしており、農業分野においては、温室効果ガスの排出削減や農地への炭素貯留に向けて、水田の落水期間の長期化や堆肥の施用などの取組の拡大を推進するとともに、より効果の高い技術の開発や、モデル産地の育成などに取り組んでまいります。 加えて、温室効果ガスの吸収源対策として、主伐・再造林による循環型林業の推進や、沿岸において炭素を貯留する藻場の保全・造成などにも取り組み、脱炭素社会の実現に貢献してまいりたいと考えております。 次に、米の仮渡金下落の影響と対応についてでありますが、令和3年産の新潟米は、一般コシヒカリをはじめ、ほとんどの銘柄で仮渡金が下落したことに加え、作柄がやや不良となったことにより米の収入が減少し、農業者から営農意欲の低下を懸念する声などもお聞きしており、農業経営にとって非常に厳しい状況と認識しております。 このため、昨年10月に農業者に対する経営相談窓口を設置するとともに、新潟米のさらなる需要拡大に向けて、デジタルメディアを活用した動画配信など、販売促進活動の強化に取り組んできたところです。 また、米価の安定には、主食用米の民間在庫量の適正化を図ることが重要であり、主食用と非主食用を合わせた米全体での生産者所得の最大化に向け、各産地において需要に応じた生産が適切に行われるよう、引き続き農業者団体と一体となってオール新潟で取り組んでまいります。 次に、園芸振興基本戦略の実績についてでありますが、戦略策定以降3か年の取組により、現時点の速報値ではありますが、販売額1億円以上の産地数は平成30年と比べ11増加いたしました。 一方、新型コロナウイルス感染症や気象被害の影響により、5産地が1億円を下回り、販売額1億円以上の産地数は、トータルで57産地の見込みとなっております。 また、栽培面積は313ヘクタール増加するとともに、新たに園芸を開始した農業者は934名の見込みとなっております。 次に、県産農林水産物の輸出の現状についてでありますが、人口減少など国内市場のさらなる縮小が見込まれる中、今後も成長が見込まれる海外市場を取り込むことは重要と考えております。 このため、これまで県産農林水産物の輸出拡大に向けた取組を積極的に進めてきたところであり、本県の輸出額は、東日本大震災以降の9年間で約2.4倍に拡大し、直近の令和2年度で36億4,000万円となっております。 なお、輸出額のトップはニシキゴイの25億円、次いで米の10億円で、この2品目で全体の97%を占めております。 次に、農業へのICTの導入についてでありますが、ICTを活用したスマート農業技術は、生産性向上に有効な手段であることから、県ではこれまで、スマート農業機械の実証や導入支援を行うとともに、現場の多様なニーズに対応した技術や製品開発が進むよう、農業者と県内企業等とのマッチングを推進してまいりました。 この結果、大規模経営体を中心に、ドローンを活用した農薬散布による労働時間削減の取組などが進むとともに、作業記録をデータ化して、労務管理の効率化に取り組む事例なども生まれております。 新年度においては、稲作の生育データに基づく施肥量の自動調整など、新潟米の省力化と収量・品質の確保を両立させるスマート技術の導入支援や、生産拡大が進む枝豆の出荷調整に向け、農家個々の生産に関する情報をリアルタイムで把握する実証に取り組むなど、農業へのICTの導入を一層進めてまいります。   〔農地部長登り俊也君登壇〕 ◎農地部長(登り俊也君) お答え申し上げます。 農業水利施設を活用した小水力発電の導入状況とその促進についてでありますが、本県では、多様な地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入を促進するなどの観点から、農業水利施設への小水力発電の導入を推進しており、これまでダムで3か所、水路4か所の計7か所が稼働し、その最大出力の合計は約6,300キロワットで全国2位の規模となっております。 一方、農業水利施設におきましては、季節によって水量が大きく変動するなどにより、採算性の見込まれる発電適地の少ないことが、小水力発電導入の課題となっております。 このため、新年度予算案において、新たに農村地域小水力発電等導入促進事業を創設し、発電用水の確保に必要な調査等、導入に向けた検討を行うこととしており、その結果を踏まえ、施設管理者への普及啓発を図りながら、小水力発電の導入促進に努めてまいります。   〔交通政策局長佐瀬浩市君登壇〕 ◎交通政策局長(佐瀬浩市君) 3点についてお答えいたします。 トキエアの佐渡線就航についてでありますが、トキエアにおいては、令和5年以降の早い時期を目指し、準備を進めていると伺っております。 また、県の支援につきましては、新年度予算として、佐渡空港の改修の関連予算を盛り込んだところであります。 次に、新潟空港のコンセッション導入についてでありますが、国の資産調査の結果から、厳しい収支見通しなどの課題も抽出されており、それを乗り越えるには、これまで以上に知恵を出していかなければいけないものと考えております。 このため、検討の方向性としましては、議員御指摘の協議会において、空港の将来ビジョンにおけるコンセッション導入の意義や、その効果について議論してまいりたいと考えております。 次に、新潟港におけるカーボンニュートラルポートの進捗についてでありますが、今年度は、検討2年目となる新潟港カーボンニュートラルポート検討会において、国の検討や脱炭素に係る技術開発の動向をはじめ、30名に及ぶ構成員による脱炭素化への取組などを整理してまいりました。 今後は、整理した内容を基に、昨年12月に国が公表したマニュアルに従って、新潟港カーボンニュートラルポート形成計画を策定するとともに、停泊中の船舶への陸上電力供給設備の整備やコンテナターミナルの荷役機械のFC化などの取組を進めてまいりたいと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) お答えいたします。 児童生徒の体力・運動能力の分析と今後の取組についてでありますが、県教育委員会では、それぞれの学校が、児童生徒の体力・運動能力の向上に重点的に取り組む1学校1取組運動や、大学と連携した児童生徒の体力及び生活実態の分析などを、平成16年度から継続実施してきており、そのことが全国上位となった主な要因であると考えております。 一方、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、児童生徒の体力低下が懸念されますが、近年、全国的に児童生徒の体力は下降傾向であることを踏まえると、体力向上のためには運動時間を増やす必要があると捉えております。このため、教員を対象とした研修会等を通じ、児童生徒が進んで運動に取り組むよう、授業改善等を進めてまいります。 ○副議長(小島隆君) 青木太一郎君の質問は終わりました。 次に、小島義徳君の発言を許します。小島義徳君。   〔小島義徳君登壇〕(拍手) ◆小島義徳君 小島義徳でございます。通告に従い、順次質問をさせていただきます。 まず、このたびのウクライナに対するロシアの行為は断じて容認できません。ウクライナの一部の地域の平和のために武力攻撃をもって一方的に侵攻するという身勝手な考えには恐怖と憎悪を感じます。ロシアのウクライナに対する武力攻撃と侵攻には断じて反対をいたします。 それでは、本題に入ります。 新型コロナウイルス感染症については、本年年明けから日本国内でも爆発的にオミクロン株による感染が拡大し、いわゆる第6波を迎えました。2月中旬以降、全国の新規感染者数はようやく減少傾向に転じましたが、現在も高止まりと言ってもよい高い水準で推移しています。 また、新規感染者数は減少に転じても、国内の重症者数は依然増加傾向にあり、また連日100名以上の死亡者が報告されるなど、決して予断を許さない状況が続いているものと認識しております。 また、感染拡大に伴う医療の逼迫や保健所の負担増加といった医療・福祉における影響のみならず、文化・スポーツイベントの相次ぐ中止、インバウンドを含めた観光客の減少、さらには外食機会の減少による米需要の急減など、新型コロナウイルス感染症は私たちの社会経済活動の様々な分野に悪影響を及ぼしており、一刻も早い収束に向けた努力と、アフターコロナを見据えた施策の実施が求められているものと考えております。 以上を踏まえ、まず新型コロナウイルス対策についてお伺いをいたします。 1月以降、県内でも新型コロナウイルス感染者数が連日過去最高を更新するなど、前回の第5波と比較しても極めて速いペースで感染者数が急増し、その結果、1月21日には本県で初めてまん延防止等重点措置が適用されました。 県内の感染者数の急増に伴い、併せて中等症患者も増加し、これにより入院せざるを得ない患者も増加することになり、県内の医療機関において確保していた病床の逼迫が懸念されたところでありますが、1月の急激に感染者数が増加していたピークの時期においても、現状確保していた病床数で問題なく対応できたのか、お伺いをいたします。 次に、感染力の強いオミクロン株の拡大により、県内でも飲食や会食を契機とする感染は減少し、代わりに学校や保育園、家庭内における子供の感染者が急増しております。特に小さなお子さんなどはマスクの継続的な着用が難しいケースも多く、子供の感染者の増加により、今後も急激に感染者数が増加する可能性があると考えられます。 県内の医療機関の病床逼迫を避けるためには、たとえ県内における感染拡大の傾向が若干鈍化したとしても、今後も感染急拡大を想定し、十分な病床確保が必要であると考えますが、今後の対応についてお伺いをいたします。 次に、2月10日には県内のまん延防止等重点措置も3月6日まで延長が決まるなど、今後も新型コロナウイルス感染症対策は予断を許さない状況となっております。 最近の県内の感染状況について、現在の年代別感染者数を見ると、明らかに未成年者の感染が増加しており、一刻も早いワクチンの小児接種が重要であると考えます。 知事も全国知事会などの場において、小児接種に向けた国の支援等を要望するなど、意欲的に取り組んでおられるものと考えますが、県内のスムーズな小児接種の実施に向け、本県における課題と対応をお伺いいたします。 次に、県民の安全・安心確保についてお伺いいたします。 近年、豪雨災害、豪雪災害など自然災害が多発している本県において、県民の安全・安心を十分に確保するためには、今後もインフラ施設のさらなる整備に加え、老朽化したインフラ施設のメンテナンスが一層重要であると考えます。県財政も厳しい状況が続く中ではありますが、住んでよしの新潟の実現に向けて、防災・減災対策についてはしっかりと財源についても確保していく必要があると考えます。 そこでまず、防災・減災のための取組についてお伺いいたします。 昨年実施されました新潟県総合計画の中間評価において、県民の命と暮らしを守る一段加速した防災・減災対策の推進の項目がおおむね順調と評価されました。外部有識者を入れた客観性の高い評価であり、知事が就任以来、一丁目一番地と位置づけてきた防災・減災対策が一定の評価を受けたものと思いますが、これに対する受け止めと今後の取組についてお伺いをいたします。 次に、防災・減災対策を進めていく上で、行財政改革に取り組んでいる本県においては、国の有利な財源を最大限に活用することが必要です。その有利な財源の一つである防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策は、令和3年度から令和7年度までの5か年を対象期間としております。そこで、この加速化対策によって見込まれる効果についてお伺いをいたします。 また、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策は令和7年度で終了となりますが、インフラ施設の老朽化が進む本県においては、対策期間終了後も継続して防災・減災対策や老朽化対策に取り組む必要があると考えます。そのためにも引き続き国の支援を要望していくべきと考えますが、所見を伺います。 次に、県内の交通安全施設の補修についてお伺いします。 県内のインフラ老朽化に伴い、道路標識や道路標示といった交通安全施設についても順次補修が必要となるものと考えます。これらの施設は県民の交通安全の確保に直結するものであり、その補修は速やかに行われる必要があると考えます。 県内でも、補修が必要な交通安全施設は多数存在すると考えますが、安全な道路環境を整備するために、現在補修が必要な交通安全施設の箇所を警察本部としてどのように把握しているのか、お伺いいたします。 次に、道路標識や道路標示といった交通安全施設の維持管理を適切に実施するためには、十分な予算を確保するとともに、緊急度の高い施設から優先的に補修を行うべきと考えます。その旨、昨年11月、飯野県議と共に警察本部長に直接要望したところでございますが、令和4年度の交通安全施設の補修計画についてお伺いいたします。 次に、地域医療についてお尋ねいたします。 今般の新型コロナウイルス感染症を踏まえ、今後は新たな感染症の発生にも適切に対応することができる医療提供体制の構築が必要であると考えます。そのためには、医療機関間での役割分担や、過疎、離島といった県内各地域の地域特性を考慮した、市町村への支援などの観点において、検討が必要であると考えます。 まず、地域における医療機関の在り方について伺います。 医療資源が乏しい新潟県においては、地域の医療ニーズに的確に対応できる医療提供体制づくりが課題となります。本県の各地域の医療機関は、規模も経営主体も様々ですが、地域の実情によって、その在り方が変わってくると考えられますが、県では今後どのような観点で医療提供体制の整備に向けた検討を進めていくのか、お伺いいたします。 次に、条件不利地域における医療提供体制の維持について伺います。 広い県土を有し、都市部から中山間地域、そして離島といった多様な地域特性を有する本県においては、地域の実情に応じて、市町村は医療提供体制を維持するために、医療機関の支援に取り組んでいるところですが、人口減少、高齢化が進む中、特に過疎や豪雪地帯などの条件不利地域における医療提供体制の維持が重要となっております。このような状況の中で、医療提供体制を維持していくための支援について、県はどのように考えているのか、お尋ねいたします。 次に、観光施策についてお伺いします。 私の地元地域であります五泉市の咲花温泉においても、今般のコロナ禍による需要減少により、関係事業者は非常に苦しんでいる状況にあります。現在は新型コロナウイルス感染症の感染収束が最優先ではありますが、今後感染症が収束した後の反転攻勢に備え、訪れてよしの新潟県を実現するための観光施策を今から検討していく必要があるものと考えます。 本県は、全国的にも評価が高い食を中心に、歴史、文化、自然など多様な観光資源に恵まれていると認識しております。昨年3月には新潟県観光立県推進行動計画も策定されたところでありますが、アフターコロナを見据え、本県の観光資源のさらなる発掘と磨き上げに向け、官民一体となって取り組んでいく必要があると考えますが、所見を伺います。 次に、今回の新型コロナウイルス感染症の影響により、新潟空港を含む多くの地方空港の国際線が停止され、現在も外国人観光客が大きく減少している状況です。しかし、感染収束後の今後のインバウンド需要回復を見据え、ぜひとも今から、そのための戦略を練っていただきたいと考えております。 特に大都市圏に集中しがちな訪日観光客の誘致拡大に向けて、本県、長野県、群馬県の関係市町村で構成する雪国観光圏のような広域連携やブランド化に向けた取組が、今後一層重要となるものと考えますが、所見を伺います。 組織改編により、来年度から県民生活・環境部と観光局等が統合し、観光文化スポーツ部が発足する予定であり、本県の文化資源を活用した観光の発展が一層期待されるところであります。 本県では、佐渡金銀山の世界遺産登録推薦決定といった明るいニュースもありますが、一方で新型コロナウイルス感染症の影響により、文化イベントの開催が対面ではなくオンライン開催となるなど、依然、大人数が集まるイベントの実施には制約がある状況にあるものと考えます。 令和4年度予算において、文化・観光魅力発信事業や文化を活用した誘客推進事業など、本県の多様な文化資源を活用した事業が予定されておりますが、これらの事業実施に向けた課題と今後の取組方針についてお伺いいたします。 昨年の東京オリンピック・パラリンピックの開催や、先般の北京オリンピックにおける本県出身の平野歩夢選手の金メダル獲得や冨田せな選手の銅メダル獲得などにより、国民のスポーツへの関心が高まる中、今後は県内のスポーツイベント等を活用した観光振興も期待できるものと考えます。 令和4年度予算においては、にいがたサイクルツーリズム推進事業など、新しい切り口の事業が計上されており、交流人口の拡大に向け、大いに期待しております。今後は、新潟県がスポーツツーリズムの先進県となるべく、引き続き積極的に取組を進めていただきたいと考えております。 そこで、今後、本県においてスポーツツーリズムを進めていくに当たり、どのような点に課題があると考えているのか伺うとともに、今後の取組方針についてお尋ねをします。 次に、農業問題についてお伺いします。 農家の高齢化による担い手確保等が問題となる中、昨今の農家を取り巻く環境は、さらに厳しいものとなっており、農家としても生き残りをかけた創意工夫や新たな取組が必要となります。 今後、持続可能な農業経営を行うためには、私は生産性向上による生産の大規模化または六次産業化などによる付加価値向上のいずれかの道を選択することが必要となるものと考えております。 このどちらを選択するかは、それぞれの農家の経営形態や規模により異なると思いますが、農家が生産性向上または付加価値向上のいずれを選択した場合であっても、県による十分な支援が必要であるものと考えております。以上の問題意識を基にお伺いをいたします。 本県農業の生産性向上に向けた取組について伺います。 先ほども申し上げましたとおり、全国有数の農業県である本県においても、新型コロナウイルス感染症の影響により業務用米の需要が急激に落ち込むなど、本県農家は厳しい状況にあると認識しております。 県はこれまでも生産性向上に取り組んできたところですが、その成果について伺うとともに、今後はスマート農業の推進などが一層重要と考えますが、知事の所見を伺います。 次に、付加価値向上に向けた取組について伺います。 今後の本県農業の維持発展に向けて、生産性向上のみならず、本県農産物の加工や直接販売等による付加価値向上も必要であると考えます。本県においても、これまで付加価値向上のための六次産業化を推進していると承知しておりますが、取組の成果を伺うとともに、今後どのように取り組むのか、知事の所見を伺います。 次に、近年、豪雨災害、豪雪災害が頻発する本県において、本県の主要産業である農業を維持していくためには、農業水利施設の計画的な補修等の対策が不可欠です。そのためには、今後も必要かつ十分な予算確保が必要であると考えますが、今年度と比較した来年度の事業予算額の増減及び事業実施予定についてお伺いいたします。 次に、財政問題についてお伺いいたします。 本県の厳しい財政状況を踏まえ、県は令和元年10月に新潟県行財政改革行動計画を策定し、財政健全化に向けた取組を行っているものと承知しておりますが、そのような状況の中でも、今般の新型コロナウイルス感染症対策など、県民にとって真に必要な事業は、適時適切に実施していく必要があります。 その財源として、県税による歳入は大きなウエートを占めており、またその税収額は県内の経済の動向にも大きく左右されることから、適切な財政運営を行っていく上では、将来における税収見込みを的確に把握していくことが重要であると考えます。 そこで、本県における税収見込みに関し、2点お尋ねをいたします。 まず、国は令和3年度の実質GDP成長率を2.6%程度、名目GDP成長率を1.7%程度と見込み、年度中にコロナ前の水準を回復すると見込んでいます。このような状況を踏まえて、今年度の本県税収の見込みについて伺うとともに、その増減要因をどのように分析しているのか、お伺いいたします。 次に、国は経済対策を迅速かつ着実に実施すること等により、令和4年度のGDPは過去最高となることを見込んでいます。 公的支出による経済下支えの下、消費の回復や堅調な設備投資に牽引される形で、民需主導の自律的な成長と、成長と分配の好循環の実現に向けて着実に前進していく、というのが政府の経済見通しですが、これらを踏まえ、現時点で来年度の本県の税収見込みをどのように想定しているのか、所見を伺います。 次に、環境問題についてお伺いします。 花角知事は、一昨年の9月定例会において、県内の気候変動の影響が非常事態であると宣言し、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すことを表明いたしました。 また、来年度の組織改編では、環境施策を強化するために、現在県民生活・環境部に設けている環境関係部署を環境局として独立させる予定であり、体制の強化による一層の取組の推進が期待されております。 そこで、本県の地球温暖化対策に向けた取組等についてお伺いいたします。 まず、県は総合的な環境対策を推進するために、知事を本部長に、全部局長を構成員とする新潟県環境対策推進本部を設置し、全庁的に地球温暖化対策に向けた取組を進めていると承知しておりますが、今年度のこの推進本部における検討状況についてお伺いをいたします。 次に、県は昨年3月に地球温暖化対策推進計画を改定したところでありますが、今般の情勢の変化を捉え、年度内に再度計画改定を予定しているものと仄聞しております。今回の改定により地域レベルにおける地球温暖化対策が一層強化されることを期待しておりますが、今年度の改定後の地球温暖化対策地域推進計画の具体的な内容について伺います。 次に、昨年12月、環境対策推進本部会議の下に、脱炭素社会実現に向けて、テーマごとに本県の特性や課題を踏まえた検討を行う目的で設置されたカーボンゼロ実現戦略プロジェクトチームが、新潟県2050年カーボンゼロの実現に向けた戦略の中間取りまとめを公表いたしました。中間取りまとめでは、各部門の現状や2030年度に向けた対応方針、重点施策が整備されております。 当戦略は、年度内には取りまとめを行うとのことですが、この戦略等を踏まえ、新年度から具体的にどのような取組により温室効果ガス排出量の削減を行っていくのかをお伺いいたします。 次に、デジタル田園都市国家構想について伺います。 政府が進めるデジタル田園都市国家構想は、地方の豊かさをそのままに、利便性と魅力を備えた新たな地方像を提示し、産学官の連携の下、様々な分野におけるデジタル技術の活用により、地域が抱える課題の解決を目指すものであります。 本県が直面する高齢化や過疎化による人口減少、若者の県外流出等への対応策として、本県としても大いに推進していく必要があると考えます。その実現のためには、まずは行政分野におけるデジタル化を進めていくべきと考えますが、所見を伺います。 次に、デジタル田園都市国家構想を実現していくためには、まずその前提として通信事業者による5G環境の整備など、県内のデジタル基盤の整備が必要であると考えます。 これまでも、本県においては5Gの整備に取り組んできているものと承知しておりますが、県内でも十分環境整備が進んでいない地域もあると思われます。今後このデジタル田園都市国家構想を実現していくためには、県内の過疎地域や離島も含めて、県内全域での環境整備が必要と考えます。 そこで、今回のデジタル田園都市国家構想を踏まえ、今後どのように県内のデジタル基盤の整備を進めていくのか、所見をお伺いいたしまして、私の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小島義徳議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症対応の確保病床についてでありますけれども、県では、第6波に備えて新型コロナウイルス感染症対応の病床を約100床増床するとともに、ワクチン、検査、治療薬等の適切な提供に努めてまいりました。また、先月新たに入院待機ステーションの運用も開始したところです。 このような取組により、本県の新型コロナウイルス感染症対応の病床使用率は現在約25%前後で推移をしておりまして、これまでのところ重症患者数は比較的少ないこともあり、病床が逼迫しているという状況ではないと認識をしております。 次に、今後の新型コロナウイルス感染症対応の確保病床についてでありますが、今ほどお答えしたとおり、現時点では病床が逼迫しているという状況ではありませんけれども、本県では医療人材が限られていることもあり、重症化リスクの高い高齢者等を中心にさらに感染が拡大した際には、新型コロナウイルス感染症以外の救急や予定手術など一般医療に相当な制限がかかるおそれもあります。 そのような事態にならないように、重症患者に対応する看護師派遣の強化やICUに従事する看護師の相互派遣などに取り組んでいるところですが、さらに次年度に向けて、看護師養成のための研修等に関する予算案を本定例会にお諮りしているところです。 今後さらに感染が拡大した際においても、入院が必要な方が確実に入院できるよう、必要に応じてさらなる病床の確保を検討するなど、引き続き一般医療との両立を図りながら医療体制の強化に取り組んでまいります。 次に、5歳から11歳の方へのワクチンの接種の課題と対応についてでありますが、子供への接種については、自治体や医療機関の筋肉注射の経験や集団接種のノウハウが十分ではないことなどが課題であると認識しております。また、保護者の中には、副反応への不安や効果への疑問などから接種に消極的な方が一定程度おられると認識をしています。 県といたしましては、12歳以上とは対応が異なる点について国に情報提供を求めるとともに、市町村との情報交換や研修の機会を設けて準備を進めております。また、県民の皆様が安心して接種できるよう、ワクチン接種の有効性や安全性、副反応等を踏まえたメリット、デメリットについて情報提供を行ってきたところです。 国が接種勧奨の方針を示していることから、今後とも市町村と連携をし、円滑に接種が進むよう対応してまいりたいと思います。 次に、県民の安全・安心確保についてお答えをいたします。 まず、防災・減災対策に関わる総合計画の中間評価に対する受け止めと今後の取組についてでありますが、県では、平成30年度に設置した防災・減災対策の新たなステージに向けた検討会議の議論を踏まえまして、ハード・ソフト一体となった対策を進めることとし、国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策など有利な財源を活用する中で、集中的に防災・減災対策を進めてきたところです。 こうした取組によりまして、令和元年東日本台風による出水では被害が軽減され、一定の効果を発揮するなど、着実に対策を推進していることが、このたびの評価につながったものと受け止めております。 一方で、本県は、これまで幾多の災害に見舞われており、激甚化・頻発化する災害に対して、いまだ対策が必要な箇所が数多く存在しています。 県といたしましては、国の5か年加速化対策などを最大限活用し、引き続き防災・減災対策に取り組んでまいります。 次に、5か年加速化対策後における国の支援についてでありますが、本県は、広い県土と長大な河川等を有し、脆弱な地質から自然災害リスクが高いことに加え、インフラ施設の老朽化が進行しており、国の5か年加速化対策終了後も、継続的に防災・減災対策や老朽化対策に取り組んでいく必要があります。 県といたしましては、公債費負担適正化計画の下、こうした取組を着実に推進するためには、国の有利な財源措置が必要不可欠と考えており、5か年加速化対策終了後も同様の支援が継続されるよう、機会を捉えて国に要望してまいります。 次に、観光施策についてお答えをいたします。 まず、観光資源のさらなる発掘と磨き上げについてでありますが、議員御指摘のとおり、本県が誇る食を中心に、豊かな自然、多様な地域文化を生かした観光の振興に官民一体となって取り組むことは、地域の魅力を高め、交流人口の拡大につながるものと考えております。 県といたしましては、引き続き、美食旅、ガストロノミーの取組を推進していくほか、本県の産業・文化を生かした観光コンテンツの開発等への支援や、上質な新潟の魅力の発信など、官民一体となって持続可能な観光地域づくりに取り組んでまいります。 次に、本県の文化資源を活用した事業の課題と取組方針についてでありますが、本県には、文化財をはじめとした多様な文化資源が多く存在しており、観光資源としての利活用を一層進めていく必要があると考えております。 そのため、新年度に設置いたします観光文化スポーツ部の下で、地域に埋もれた文化資源などの観光コンテンツとしての磨き上げや、本県文化の魅力を発信する事業などの実施を予定しております。 県といたしましては、これらの事業を通じて、市町村や地域の文化・観光関係者と一体となって文化資源の魅力を高め、観光コンテンツとしての活用を促進し、交流人口の拡大や地域の活性化につなげてまいりたいと思います。 次に、スポーツツーリズム推進の課題と取組方針についてでありますが、東京オリンピック・パラリンピックのホストタウン等の取組をレガシーとして、スポーツを生かした交流人口の拡大につなげていくことが重要であると考えています。 また、各地で意欲的な取組が進められているサイクルツーリズムをはじめとして、スポーツを活用した観光振興の取組を積極的に推進する必要があると考えております。 県といたしましては、新年度に設置する観光文化スポーツ部の下で、スポーツを通じた海外との交流促進に向けた市町村の取組支援や、スポーツ合宿等の誘致促進に取り組んでまいります。 また、サイクルツーリズムにつきましては、県内のサイクルルートにおいて、アプリ等を活用したイベントを実施するとともに、中央日本4県の観光スポットと絡めた日本海から太平洋に通じるサイクルルートの検討を進めるなど、スポーツツーリズムの推進に一層取り組んでまいります。 次に、農業問題についてお答えをいたします。 まず、農業の生産性向上の取組についてでありますが、県では、これまで、担い手への農地集積や省力・低コスト技術の導入等を推進してきたところであり、農地集積率が全国平均を上回っているほか、稲作の省力・低コスト技術の普及や、園芸の機械化・施設化が進展するなど、一定の成果が現れているものと考えております。 今後、一層の生産性向上を図っていくためには、スマート農業の普及が求められますが、導入する農家にとっては資金的・技術的な負担もあることから、経営全体の効率化や、所得向上につながる形で導入していくことが重要であると考えております。 このため、県といたしましては、個々の農家の経営課題に応じて、伴走型での相談・支援を丁寧に行いながら、スマート農業技術の効果的な導入を推進してまいります。 次に、本県農産物の付加価値向上に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県農業の維持・発展には、生産性の向上に加え、六次産業化など付加価値向上の取組を進めていくことが必要と考えております。 県ではこれまで、外部専門家の実践指導や、施設整備等の支援を行ってきたところであり、農業者による加工や直接販売だけでなく、農家レストランや体験農園といった観光と結びついた取組なども展開され、販売額の増加や雇用の創出などの成果が現れております。 一方で、六次産業化の取組を一層進めていくためには、衛生管理など幅広い知識の習得や、新たな設備投資が必要となるなどの課題もあることから、県といたしましては、加工設備や販路を有する異業種との連携も含め、取組段階に応じて、ソフト・ハードの両面から伴走型で支援してまいります。 次に、デジタル田園都市国家構想についてお答えをいたします。 行政分野におけるデジタル化についてでありますが、県民の利便性向上や業務効率化の観点から、行政分野におけるデジタル化は重要であると認識しています。 県といたしましては、昨年7月に定めた、そして先般改定いたしましたデジタル改革の実行方針に基づきまして、行政のデジタル改革を進めております。外部人材も活用し、全庁的な情報システムの最適化等に取り組むとともに、来年度前半には、新たな電子申請システムや公文書管理システムの導入、モバイル環境の整備などを行い、これと併せて職場風景を一新する働き方の変革を進めてまいりたいと思います。 今後も、国の動向を注視し、率先垂範して県全体のデジタル改革を進めるために、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。   〔知事政策局長小岩徹郎君登壇〕 ◎知事政策局長(小岩徹郎君) お答え申し上げます。 県内のデジタル基盤の整備についてでありますが、国においては、携帯各社に対し、5Gの情報通信インフラの整備を加速化させるよう要請し、2023年度までに人口カバー率を9割に引き上げることとしているものと承知しております。 5Gなど通信インフラの整備は、本県におけるデジタル改革を進める上でも、またデジタルサービスを定着させ、利用を促す観点からも重要と考えており、県といたしましては、採算性や費用負担が課題となっている地域における整備等も含め、5Gのデジタル基盤が地域間の偏りなく整備されるよう、引き続き国に対して要望するとともに、5Gワンストップ窓口により事業者向けの情報提供を行ってまいります。   〔総務管理部長森永正幸君登壇〕 ◎総務管理部長(森永正幸君) 2点お答えいたします。 令和3年度の県税収入見込みについてでありますが、輸出関連企業の業績が堅調であることや、巣籠もり需要の増加等により、主に法人二税や地方消費税が堅調に推移していることから、令和3年度県税収入決算見込額は、令和3年度当初予算から大幅な増額となり、現時点では約2,720億円程度と見込んでおります。 次に、令和4年度の県税収入見込みについてでありますが、県内経済は一部で依然として厳しい状況にあるものの、全体としては持ち直しつつあることから、令和4年度の県税収入については、現時点で令和3年度当初予算額から大幅な増額を見込む令和3年度の決算見込額とほぼ同額を見込んでいるところです。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) 3点についてお答えいたします。 県環境対策推進本部における地球温暖化対策の取組の検討状況についてでありますが、今年度、この環境対策推進本部の下にカーボンゼロ実現戦略プロジェクトチームを設置し、部局横断により脱炭素社会実現に向けた戦略の検討を進めてきており、昨年末には中間の取りまとめを行い、現在、最終取りまとめを行っているところです。 次に、今年度改定予定の県地球温暖化対策地域推進計画の具体的な内容についてでありますが、今回の改定では、現在最終取りまとめ中の2050年カーボンゼロの実現に向けた戦略の検討を踏まえ、新たな2030年度の県の削減目標を2013年度比46%削減を目指し、さらなる高みを視野に入れることとしたいと考えております。 また、この2030年度46%削減という目標を達成するため、本県の特性や課題を踏まえつつ、再生可能エネルギー・脱炭素燃料等の創出、活用、CO2排出の削減、森林整備や新たな技術開発による吸収・貯留の4つの柱の取組を重点的に進めることとしており、県民や事業者等の御理解をいただきながら、全県一丸となって進めてまいりたいと考えております。 次に、新潟県2050年カーボンゼロの実現に向けた戦略を踏まえた新年度の具体的な取組についてでありますが、2050年実質ゼロ、そして2030年度の2013年度比46%削減という目標の達成に向け、地域の取組・家庭部門では、脱炭素先行地域づくりなど、先駆的に脱炭素に取り組む市町村への支援や、住宅のゼロエネルギー化の促進、また環境問題等に関心の高い学生等が主体となった情報発信など、県民の行動変容を促す普及啓発等に取り組みます。 また、業務・産業部門では、事業所・工場等における屋根置き太陽光発電設備やゼロ・エネルギー・ビルなどを普及させるためのモデル的な取組、県有施設への太陽光発電設備導入等を進めてまいります。 また、運輸部門では、カーボンニュートラルポートなど港湾エリアの脱炭素化に向けた計画策定や、次世代自動車の導入促進に取り組みます。 また、吸収源対策では、循環型林業につながるモデル的な取組への支援や、カーボン・オフセット制度の普及促進に向けた戦略検討などに取り組みます。 また、再生可能エネルギーの導入促進に関しましては、自然エネルギーの島構想など離島における再エネの利活用や、洋上風力やバイオマス等、地理的特性を生かした大規模な再生可能エネルギーの導入等を促進してまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 2点についてお答え申し上げます。 医療提供体制の検討の進め方についてでありますが、医師不足が深刻な本県において、将来にわたって地域に必要な医療を維持していくためには、地域の中核病院の機能強化とともに、周辺医療機関との適切な役割分担の下で連携強化を図るなど、地域の実情に応じて限られた医療資源をいかに効率的かつ効果的に活用していくかという観点が非常に重要であると認識しております。 このため、県ではこれまで、昨年4月に策定した地域医療構想のグランドデザインを基に各圏域で議論を行ってきたほか、県内の3圏域について重点支援区域への選定を受け、医療再編に向けて取り組んできたところであり、今後、国の後押しも得ながら、さらなる取組を進めてまいります。 次に、医療提供体制を維持していくための支援についてでありますが、県内のどこに住んでいても安心して生活できるよう、過疎地域や豪雪地域などの条件不利地域における医療提供体制を維持していくための取組は重要であると考えております。 県では、これまでも、僻地や救急などの政策医療を担う医療機関に対し、国の財政措置を活用するなどにより、必要な財政支援を行ってきたところです。 また、現在、各圏域では地域医療構想のグランドデザインに沿って、持続可能な医療提供体制を地域の実情に応じて構築していくための議論を進めているところであり、県としましては、今後、これらの議論を踏まえ、医療機能の強化や再編等に取り組む医療機関に対して、積極的に地域医療介護総合確保基金等を活用し、必要な財政支援を行ってまいりたいと考えております。 さらに、今後は、ICTを活用したオンライン診療や医療相談等を活用・普及するなど、条件不利地域であっても適切な医療が受けられる環境整備に努めてまいりたいと考えております。   〔観光局長妹尾浩志君登壇〕 ◎観光局長(妹尾浩志君) お答えいたします。 今後のインバウンド需要回復を見据えた広域連携及びブランド化に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、歴史、文化、自然等において密接な関係のある自治体が広域的に連携し、地域のブランド確立に向けて、その魅力を発信していくことは、訪日旅行再開後のインバウンド需要の取り込みに重要であると認識しております。 県といたしましては、これまで、スノーリゾートなどをテーマに近隣県等との連携を進めてきたところですが、インバウンド再開を見据え、訪日外国人旅行者の嗜好やニーズを踏まえて、広域連携を強化することで、今後の誘客拡大に努めてまいりたいと考えております。   〔農地部長登り俊也君登壇〕 ◎農地部長(登り俊也君) お答え申し上げます。 農業水利施設の補修等に係る事業予算額の増減及び事業実施予定についてでありますが、本県の農業を維持していくための農業水利施設の計画的な補修及び災害の未然防止を図る事業の来年度予算につきましては、本年度から約5億円増額し、約162億円を計上しているところでございます。 また、事業実施予定につきましては、農業水利施設のうち用排水路約26キロメートル、頭首工18か所、用排水機場59か所、防災重点農業用ため池59か所で補修等を実施する予定としております。 県といたしましては、今後も地方財政措置の手厚い国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を積極的に活用しながら、補修等の対策を着実に実施してまいります。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策によって見込まれる効果についてでありますが、国の5か年加速化対策では、激甚化・頻発化する気象災害や大規模地震等への対策に加え、高度経済成長期以降に集中的に整備されたインフラ施設が今後一斉に老朽化することから、新たに老朽化対策が盛り込まれたところです。 本県は、積雪寒冷地で長い海岸線から塩害などの影響を受けやすく、老朽化対策は喫緊の課題となっております。 県といたしましては、この5か年加速化対策を最大限活用し、河川改修をはじめとする防災・減災対策のさらなる推進に加え、インフラ施設の老朽化対策を着実に進めることで、県民の安全・安心の確保を図ってまいります。   〔警察本部長村田達哉君登壇〕 ◎警察本部長(村田達哉君) 2点についてお答えいたします。 補修が必要な交通安全施設の箇所をどのように把握しているかについてでありますが、県警察が管理する交通安全施設のうち、道路標示、とりわけ歩行者や自転車の安全確保に重要な横断歩道について申し上げますと、今年度から3か年計画で重点補修を進めており、約2万9,000本全ての点検を実施し、摩耗が著しく視認性に問題のあるものとして約6,000本、視認性が低下しつつあるものとして約4,700本などを把握しているところです。 なお、このうち摩耗が著しく視認性に問題のある横断歩道約6,000本については、本年度既に優先的に補修いたしました。 また、道路標識につきましては、県内に約15万本設置しており、順次点検を進めておりますが、令和3年11月末時点で約6,800本が退色や老朽化等で補修が必要と把握しているところであります。 次に、令和4年度の交通安全施設の補修計画についてでありますが、道路標示につきましては、先ほど申し上げました3か年計画の2年目として、引き続き摩耗の進んだ横断歩道等を優先に補修を進める計画としております。 道路標識につきましても、先ほど申し上げた補修が必要なものについて、来年度から3か年計画で重点補修をすることとしており、その初年度として、落下等した場合に重大事故につながるおそれのある大型標識の補修を優先し、路側標識についても、補修の必要性が高いものから、順次、補修する計画としております。 ○副議長(小島隆君) 小島義徳君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時55分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時10分 開議 ○議長(佐藤純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 飯野晋君の発言を許します。飯野晋君。   〔飯野晋君登壇〕(拍手) ◆飯野晋君 飯野晋でございます。これから本格的かつ長期間にわたる人口減少時代に突入します。私たち県民の未来をどのようにして切り開くのか。地域から集めた大切な声を踏まえて質問します。よろしくお願いいたします。 まず、1つ目の質問項目、知事の政治姿勢について伺います。 花角知事は、この4年間、財政再建や新型コロナウイルス感染症対策など、就任時には想定しなかった課題とともに県政に取り組んできました。課題に成果が上がる一方、人口減少には歯止めがかからず、県民所得も低迷しています。県の未来を左右する課題に対しては、ちゅうちょせず真正面から挑み、県が先頭に立って解決しなければなりません。 新年度予算案では、中長期的な課題に取り組む姿勢が示されました。以下、特に重要と思う中長期的な課題4点について花角知事に質問いたします。 初めに、人口減少問題について。 本県の人口減少は止まらず、直近では、人口減少数は北海道に次いでワースト2位で、減少率は北海道を大きく上回っています。 人口減少問題は最優先で取り組むべき課題であり、特に減少数が社会減のほぼ3倍に達した自然減対策については、抜本的な対策強化に向け、少子化対策への予算配分を大幅に拡充し、自然減対策に本気で取り組む姿勢を明確に示す必要があると考えますが、花角知事の人口減少問題に臨む覚悟を伺うとともに、新年度の取組を伺います。 2つ目に、県民所得の向上について。 本県の1人当たり県民所得は291万6,000円で、全国27位でした。東京都、愛知県に次いで栃木県3位、茨城県6位、群馬県8位と、近年、大手企業の生産拠点が多く立地し、企業所得が大きく増加している北関東3県が健闘しています。 首都圏などとの県民所得格差は、よりよい待遇を求める学生や若者の人口流出の要因にもなるため、それを抑止するためにも県民所得のさらなる向上が必要です。全国平均以上の県民所得を目標に、産業界と力を合わせながら、その実現に向け強力に取り組んでいくべきと考えますが、花角知事の所見を伺います。 3つ目に、労働力人口の減少について。 我が国の労働力人口は、今後40年で40%も減少するとの予測があります。農業や製造業の現場では人手不足の声が上がり、教員は公立学校で2,500人不足、IT人材は2030年に79万人の不足、介護人材は毎年5万人が新たに必要です。 労働力人口の減少は、業種内だけではなく、業種間、地域間の人材獲得競争になりかねず、人材不足は本県企業の経営、地域経済、そして県民の暮らしに大きな影響を及ぼします。今後、より一層深刻になる労働力人口の減少についての花角知事の認識を伺うとともに、それを踏まえた今後の取組について伺います。 4つ目に、デジタル化社会について。 花角知事は、新たな社会像の一つにデジタル化社会を掲げられました。デジタル化は、高齢者や零細企業などデジタル弱者を取り残すことなく、全ての県民・企業が恩恵を受けられることが大前提ですが、高齢化、過疎化、環境問題など社会的課題の解決を通じて、県民生活や企業活動に大きなメリットをもたらします。 昨年の一般質問においてデジタル改革の将来像を伺いましたが、改めて花角知事が思い描く目指すべきデジタル化社会について伺うとともに、その実現に向けた取組について伺います。 2つ目の質問項目、東京一極集中について質問します。 世界の中でも特に高い我が国の首都圏の人口集中度は、全国の人口の3分の1を超え、その割合は上昇し続けています。首都圏は地方圏から流入する人・物・金に支えられる一方で、人材不足や経済格差という形で地方圏の活力を奪っています。 地方圏が衰退すれば、その支えを失う首都圏も必ず衰退します。本県として、再生する体力が残る今だからこそ、東京一極集中に対して、構造的要因まで踏み込んで、その是正に取り組むべきと考え、花角知事に以下の質問をします。 初めに、大学の偏在是正について。 東京都の大学進学希望者に対する収容力は約1.7倍に対して、新潟県は0.6倍にとどまっています。大学の東京一極集中は、東京圏への人口流出を引き起こす構造的問題であり、速やかに是正すべきです。 文部科学省は地方国立大学の定員増を試みていますが、今年度は2大学が申請したものの、どちらも認められませんでした。 本県大学の入学定員の拡大と、都内大学の地方移転や入学定員の縮小が必要と考えます。花角知事の所見を伺うとともに、具体的な対策を伺います。 2つ目に、企業の偏在是正について。 東京都の人口は全国の1割強ですが、上場企業の半数以上が東京都に本店を置いています。人口の集中を上回る産業の東京都への一極集中は、就職時の東京圏への転出を促し、人口の東京一極集中へとつながっていきます。 本県にゆかりのある企業の誘致や成長産業にターゲットを絞った企業の育成・集積、そして魅力的なビジネス環境の整備など、本県独自の企業立地促進を強化するとともに、国に対しても東京都の企業の偏在是正に向けた対策を強く求めるべきと考えますが、花角知事の所見を伺います。 3つ目に、財源の偏在是正について。 昨年度の都道府県別の財政力指数は東京都が1.15で、全国唯一1を超えています。人口集中を超えた産業集中で、法人税徴収地の47%が東京都に集中しています。都税が歳入予算の約7割を占める東京都では、この豊富な財源を用いて、高校生までの医療費無料化など子育て世代をさらに呼び込もうとしています。 一方、本県の県税は歳入予算の約2割、自治体間の財源不均衡を調整する地方交付税を加えても4割に届きません。 超高齢化や過疎化など地方圏が先行する課題の解決に向けて、地方交付税の財源調整のさらなる強化、都市圏に偏在する税源のさらなる是正など、財源の偏在是正を国に対して強く求めるべきと考えますが、花角知事の所見を伺います。 4つ目に、医師の偏在是正について。 本県は、全国でも特に厳しい医師少数県です。県は大学医学部の地域枠を拡大して、令和4年度入学の医学生53人に本県医療機関への勤務を求めて修学資金を貸与しますが、年間不足養成数109人には届かない状況です。必要医師数をどのように確保するのか、その対策に必要な財源をどのように確保するのか伺います。 また、地域医療の格差解消は国の責任で行うべきであり、専門医シーリングの厳格化など、西高東低の医師の偏在是正を国に対して強く求めるべきと考えますが、花角知事の所見を伺います。 5つ目に、交通インフラの偏在是正について。 現在の主な交通インフラである新幹線や高速道路のネットワークは、東京へ向かう整備が優先され、地方の整備は遅れています。このことが東京への人口一極集中を招いているとの指摘があります。 欧米諸国では、全国を網羅的に交通インフラが整備され、首都の人口集中が抑制されています。地方と地方を結ぶ新幹線、高速道路、空路などのネットワーク整備を進め、分散型国土形成に向けた交通インフラの偏在是正が必要と考えますが、花角知事の所見と今後の取組について伺います。 3つ目の質問項目、産業政策について質問します。 本県の域外収支は移入超過で、年間3,500億円もの赤字です。県民雇用者報酬の総額4.5兆円と比較しても決して小さな金額ではなく、県外や海外へ売り込む製品やサービスを生み出す産業が必要です。 一方で、度重なる災害や長期化するコロナ禍を経験して、経済的な豊かさや物質的な豊かさをもたらす産業から、安全や安心や幸福をもたらす産業への転換を求める声もあります。 コロナ後の新しい社会経済において必要とされる産業をどのように捉え、どのようなシナリオで本県に導くか、花角知事に以下の質問をします。 初めに、目指すべき本県産業について。 本県産業の低い付加価値額について、花角知事は、県内企業は下請取引など経営面が他律的で、輸出型大企業が少ないことなどを要因に挙げています。 知事が実現を目指すデジタル化社会や脱炭素社会、そしてコロナ禍でのサプライチェーン見直しなど、本県産業を取り巻く環境の変化を好機と捉え、今後大きく伸びる産業を本県に呼び込むとともに、本県各地に集積した特徴ある産業や技術、人材を最大限生かしていくことが重要であると考えますが、花角知事が目指すべき本県産業の在り方を伺うとともに、実現に向けた取組方針について伺います。 2つ目に、新潟県工業技術総合研究所による企業の技術支援について。 県内の製造業は、製品開発などへのデジタル技術の活用が必要不可欠となっていますが、苛酷なコスト競争下にある企業は、デジタル人材や高額なソフトウエアを抱える余裕がありません。 昨年視察させていただいた企業では、製造工程のシミュレーションを工技総研の技術支援を受けて行い、競争力のある製品の製造が可能となった結果、中国から受注を取り返しました。この企業の経営者は、プロ集団の工技総研をもっと活用すべきと高く評価しています。 工技総研による技術支援を拡充して、より多くの県内企業の競争力強化に努めるべきと考えますが、所見を伺います。 3つ目に、成長産業分野への異業種参入支援について。 本県は、新潟圏には食料品製造業、三条・燕圏には金属製品製造業、見附市や五泉市には繊維工業、長岡圏には一般機械器具製造業、上越圏には電子部品・デバイス製造業と特徴的な産業が集積しています。 一方、機械部品の多い自動車関連産業では急激に電化シフトが進んでおり、産業構造が大きく変わろうとしています。 高度な技術力を持つ本県中小企業を生かした成長産業の集積に向けて、中小企業群の異業種参入ネットワークの構築など、成長産業分野への異業種参入支援を強化すべきと考えますが、所見を伺います。 4つ目に、理工系人材の育成と確保について。 成長産業の集積には、IT技術者など、企業が求める理工系人材を県内で育成・確保することが必要です。 一方、従来型工学教育では、学科ごとに専門性で区分けされているため、例えばインテリジェントカーやサービスロボットの開発に必要とされる工学系の幅広い知識を獲得した人材の育成には限界があります。 北九州市では、国公私の工学系3大学院合同による連携大学院が設置され、求められる人材の育成が行われています。 本県においても、県内工学系大学の連携プログラムの創設など、成長産業で必要となる理工系人材の育成と確保に向けた取組を強化すべきと考えますが、所見を伺います。 5つ目として、産学官連携拠点の整備について。 成長産業を支えるイノベーションを持続的に生み出すため、産学官の人材や技術が交じり合う場が必要です。 1月に訪問予定だった沖縄県の国際物流拠点にある産業集積地域には、成長産業に特化した産学官連携研究開発拠点であるIT津梁パークが整備されています。海外もターゲットとした高度ソフトウエア開発の拠点として急成長を遂げています。 本県は、IT企業の誘致や集積に向けた拠点整備を積極的に進めていますが、高度なソフトウエア開発の拠点を目指し、大学や公的研究機関なども加わった産学官連携拠点として充実を図るべきと考えますが、花角知事の所見を伺います。 6つ目に、防災産業について。 県は、昨年度、防災産業クラスター形成事業を創設し、防災技術や被災経験を生かした防災産業の拠点形成に向けた取組を開始しました。防災産業は、物を生産し、供給する拠点ではなく、安心・安全を供給する拠点として、これからの社会に求められる新たな基幹産業になると考えます。 ビジネスの魅力や拠点形成の効果について、市場規模、雇用創出、所得向上などを調査・分析して、防災産業の可能性を内外に発信すべきと考えますが、花角知事の所見を伺います。 また、本県への拠点形成に向けて、防災製品やサービスの社会実証や認証ルール・規制緩和・標準化といった制度設計など、防災産業を受け入れる社会づくりにも本県が率先して貢献すべきと考えますが、花角知事の所見を伺います。 4つ目の質問項目、農林水産業について質問します。 本県の農林水産業は、気候風土にもよく合致して、全国各地に食料を供給し、地域コミュニティーや伝統文化を育み、環境や景観を守ってきました。農林水産業に関連した多くの食品製造業も発展しました。 農林水産業は極めて重要であり、これからも大切に守り育てなければなりませんが、農業従事者は急激に減少し、国内消費は低迷するなど、農業を取り巻く環境はさらに厳しくなっています。未来へ続く持続可能な農林水産業への道筋を示す必要があると考え、花角知事に以下の質問をします。 初めに、米の生産コストの削減について。 国が10年間で4割削減を目指している米の生産コストの削減は、価格競争力向上により県産米需要を拡大し、新たな所得の獲得も期待されることから、米産出額全国トップの本県としては、非常に重要な取組と考えます。 米が9割を占める県産農林水産物の輸出は9年連続で増加しており、本県には日本全国で消費される米菓や日本酒を生産する食品産業が多数存在しています。県産米の輸出拡大や県内食品製造企業向けの加工用米への転換を促進するため、米の生産コストの削減目標を定め、その実現に向けてこれまで以上に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。 2つ目として、県産米需要の拡大について。 主食用米の需要は、10年前に800万トンを下回り、本年には初めて700万トンを下回る見通しです。 本県の主食用米の生産は、需要に応じた米の生産に向け、県が生産数量目標を示し、非主食用米への転換などを進めてきましたが、行政による生産数量目標の配分が廃止された2018年以降、目標に及ばない状況が続いています。 本県産の非主食用米の需要拡大に向けて、県内食品製造企業における県産米の利用促進が有効と考えます。県が仲介役となり、県内食品製造企業と生産者の連携強化を図るとともに、原料となる加工用米の生産拡大に向けた県の支援を拡充すべきと考えますが、所見を伺います。 3つ目に、施設園芸の振興について。 県は、農家の減少や農業産出額の低迷を背景に、新潟県園芸振興基本戦略を策定し、園芸産地の育成や園芸に取り組む農業者の拡大に取り組んでいます。 園芸の中でもハウスを用いた施設園芸は、作期が拡大し、高度の技術と労力の集約化により高収益が期待できる一方、初期投資が大きく、施設整備に当たっては企業の資本力を生かすことも必要です。 企業の出資条件は緩和されたことから、本県の施設園芸の拡大に向けて、企業の資本力を積極的に活用すべきと考えますが、見解を伺います。 4つ目として、担い手の確保について。 本県は、毎年400人の農林水産業への新たな就業者数確保を目標に掲げて取組を強化しています。 近年、農業法人などへの就業者が増加しており、本県では新規就業者の約6割を占めています。これらの就業者は新たな担い手として期待される一方で、総務省による全国調査では、法人就農後の離農が多いとの結果もあり、農業への定着が大きな課題です。 県としても、スマート農業の実践や働きやすい環境の整備など、女性も含めた若者に魅力的な農業の実践をさらに進めて、新規就農者の増加や離農者の減少に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。 5つ目に、漁港など県有施設の柔軟な活用について。 令和2年の沿岸漁家の平均漁労所得は177万円であり、約400万円の全産業の平均所得との格差は大きく開いています。新規就業者が安定的に参入する持続可能な漁業を実現するために、漁獲量の確保や消費者ニーズに合致した魚種の提供など、水揚げ金額を増やすことに加え、六次産業化や観光も取り入れることにより所得向上を目指すべきと考えます。 県としても、漁業を行う漁港や港湾などの県有施設を、直売所、レストラン、体験施設などの設置も含めた柔軟な活用を積極的に後押しすることで、漁業者の所得向上を図るべきと考えますが、知事の所見を伺います。 5つ目、最後の質問項目、安全・安心について質問します。 地域の支え合いや助け合いが活発な安全で安心な暮らしは、本県の大きなアピールポイントです。他方で、地域全体の高齢化、核家族化、関係の希薄化など、これまで前提としてきた地域の在り方が大きく変わり、課題も多様化・深刻化しています。 子育て世代、障害者、高齢者を含む全ての県民が安全で安心して住み続けられる新潟県となるために、行政と地域が連携した取組をより一層強化する必要があると考え、花角知事と警察本部長に以下の質問をします。 初めに、地域防犯力の強化について。 犯罪のない社会は、安心して暮らす上で極めて重要です。本県は、新潟県総合計画に、犯罪のない安全で安心な社会の実現を掲げ、市町村、地域、企業などと連携して防犯の取組を進めてきました。おおむね順調との中間評価ですが、体感治安の改善や地域の防犯ボランティアの担い手不足などの課題が示されています。 地域防犯ボランティア活動は地域防犯力の強化に大変有効で、より一層、住民に身近でやりがいがあり、効果の高い活動が求められます。 県警察では、犯罪情報や好事例の共有、活動の周知を図る広報など、地域防犯ボランティア活動の活性化に向けて取組を強化すべきと考えますが、警察本部長の所見を伺います。 2つ目に、歩行者の安全確保について。 昨年4月、交通の方法に関する教則が改正され、道路を横断する際、手を上げるなどの横断する意思の明確な表示が約40年ぶりに盛り込まれました。 日本自動車連盟によると、昨年の信号機のない横断歩道における一時停止率は、新潟県は37.3%で、全国平均を上回っているものの、前回より低下しており、85.2%で全国1位の長野県とは大きく差が開いています。 私自身も警察署や区役所などと合同で横断歩道での見守り街頭指導を行いましたが、歩行者の手上げ定着や車の一時停止遵守などには、さらなる取組の強化が必要だと感じました。 県警察では、県民が安心して暮らせる安全な新潟の実現を掲げていますが、日本一の交通安全県を目指し、さらなる交通マナーやルールの徹底を図るべきと考えますが、横断歩行者の安全確保に向けた県警察の取組について伺います。 3つ目に、通学路の安全確保について。 昨年6月の千葉県の通学路での児童死傷事故を受けて、地元の通学路の危険箇所を警察署、区役所、小学校などと合同で点検しました。 安全な歩行空間の確保、摩耗した横断歩道の改修や見やすい道路標識の整備、生活道路の交通規制やハンプの設置など、計画的な整備が重要と考えます。 これら交通安全施設の整備につきましては、今年度からの横断歩道などの道路標示の重点補修に加えて、来年度予算案には新たに道路標識の重点補修が盛り込まれており、大変感謝しております。 現時点で補修が必要ないと評価された道路標識や道路標示についても、あらかじめ補修時期を見込んだ長期補修計画を立てて継続的に行う計画補修が必要と考えますが、警察本部長の見解を伺います。 4つ目に、総合的な交通安全対策について。 県では、交通安全対策の効果として、16年連続で交通事故発生件数、負傷者数ともに減少していますが、事故が一たび発生すれば、被害者やその家族に癒やし難い大きな心の傷を負わせ、加害者も大きな代償を負います。 全ての人が安心して道路を利用することができるように、県民全体の交通安全意識の向上、交通安全施設や道路標識等の整備、取締りの強化、高齢運転者の免許証の自主返納などの交通安全対策を総合的に推進すべきと考えますが、花角知事の所見を伺います。 5つ目に、水害被害の最小化について。 昨年8月、阿賀野市を流れる安野川の水位が上昇し、新潟市の3つの小学校区、住民約5,000人に警戒レベル4の避難指示が出されましたが、自宅での待機者が多く、実際の避難はほとんど行われませんでした。水害からの的確な避難や被害拡大防止に向けて、避難情報の出し手と受け手双方に改善すべき課題があると受け止めています。 県は、小規模河川を含む県管理河川の洪水浸水想定区域図の作成を進めていますが、現在の作成状況について伺います。 あわせて、市町村による適時適切な避難情報の発令及びハザードマップの理解促進などにより、実効性のある避難が確保されるよう、県も積極的に関与すべきと考えますが、所見を伺います。 5つ目に、地域交通の確保について。 高齢者の免許返納数が大幅に増加しており、公共交通の衰退によって、高齢者を中心に通院や買物、移動などの日常生活に支障が出ることを心配する声を聞きます。 地域交通は、県民の暮らしやすさや生活利便性に関わる重要な問題です。公共交通以外にも大学バス、病院バス、福祉事業者バスなど、地域の全ての交通手段を有効に活用してその確保を図ることが必要です。 県としても、地域の様々な交通手段を活用して地域交通の確保に努めるべきと考えますが、所見を伺うとともに、新年度の取組について伺います。 本県の未来を担う若者の希望あふれる前向きな御答弁をお願いして、私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 飯野議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、人口減少問題への対応と新年度の取組についてでありますが、自然動態の減少数が大きいことは議員御指摘のとおりです。少子化対策は喫緊の課題であり、県としては、結婚支援や子育て支援などにしっかりと取り組んでまいります。 一方、人口動態には、これまで続いた人口構造による慣性が働く面もあるため、効果の発現には一定の時間がかかります。また、少子化対策は全国共通の課題でもあり、国レベルでの対策の充実も不可欠と考えております。このため、地方だけでは解決が難しい制度改革等への対応や少子化対策の予算規模の拡大等については、引き続き国へ働きかけてまいります。 これに対して、社会減対策は、若者を中心とする足元の人口流出に対して、県として効果的な施策を工夫していかなければならないと考えております。働く場、起業・創業など新しいことにチャレンジする場、訪れる場として選ばれる新潟を目指し、官民一体となった取組を強化してまいります。 いずれにいたしましても、社会減、自然減それぞれの特性の違いを踏まえながら、人口の減少幅を縮小し、歯止めをかけるための施策に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 なお、新年度の取組については、知事政策局長からお答えをいたします。 次に、県民所得の向上についてでありますが、本県の県民所得を全国平均を上回る水準に引き上げるためには、社会経済活動の変化に対応しながら、県内企業の稼ぐ力を高め、付加価値の高い産業構造に転換していくことが必要であると考えています。 そのため、今般の国の経済対策を有効に活用し、地元経済界や金融機関等とも力を合わせながら、引き続き、新事業展開やより大きな市場の取り込みなどへの挑戦を後押しするなど、県内企業の高付加価値化と競争力の強化に取り組んでまいります。 次に、労働力人口の減少への認識と取組についてでありますが、本県では、少子化や若年層の流出などによる人口減少を背景として、幅広い分野で人手不足の状況が続いており、事業活動の制約要因となって、今後の経済成長を妨げることが懸念されるため、中長期的な観点で、人材の確保と生産性の向上に取り組んでいく必要があると認識しています。 そのため、県といたしましては、若者の県内定着やU・Iターンのさらなる促進に努めるとともに、県内企業の採用力向上や働き方改革、さらには外国人労働者の受入れなど、人材確保に向けた取組を支援してまいります。 あわせて、デジタル技術の活用を後押しし、業務の効率化等を通じた県内企業の生産性向上も支援してまいりたいと思います。 次に、目指すべきデジタル化社会とその実現に向けた取組についてでありますが、デジタル化社会では、デジタル技術を最大限活用して、人口減少や地域の活力・競争力の低下といった課題を解決し、暮らし・産業・行政の変革につなげていくものと考えております。 これに向け、昨年立ち上げたデジタル改革実行本部の下で取り組むとともに、県の総合計画にも、デジタル改革の推進を新たに位置づけることにしています。 今後、今般改定した実行方針に沿って、暮らしのDXについては、人口減少などの課題を克服し、住み慣れた地域で自立した豊かな生活環境を実現するため、オンライン診療や遠隔教育などの取組を進めます。 また、産業のDX、デジタルトランスフォーメーションについては、高まりつつある機運を企業の具体的な行動につなげていくため、デジタル人材の育成・確保やデジタル技術の利用拡大等を支援し、挑戦する企業等を後押ししてまいります。 さらに、行政のDXについては、県民目線で、キャッシュレス決済や電子納付の導入等を進めるとともに、質の高い行政に向けて、ペーパーレス化やテレワークの推進など時代に合わせた働き方の変革を進めてまいります。 次に、東京一極集中についてお答えします。 まず、県内大学の入学定員増等についてでありますが、近年、相次ぐ大学の新設や学部の開設などにより、県内大学の入学者はここ5年間で600人以上増加し、入学定員も計画を含めて、令和5年度には現在よりさらに150人増えるなど、人口流出の抑制という点でも一定程度寄与しているところです。 しかしながら、多くの県内大学が定員割れしている現状や、今後18歳人口がさらに減少することを踏まえれば、単なる収容力の拡大ではなく、若者から選ばれる、魅力のある大学を目指す取組への支援がより重要になるものと考えています。 また、首都圏の大学の定員抑制等については、引き続き、全国知事会等を通じて他県と連携しながら要望してまいります。 次に、企業立地の促進と東京都への企業の偏在是正についてでありますが、県ではこれまで、経営者が本県出身の企業や、半導体関連をはじめ今後成長が期待される分野の企業などをターゲットとして誘致を行うとともに、IT企業の集積や交流につなげるため、民間事業者が行う施設整備への支援を行ってきたところであり、さらに新年度においては、本県に立地したIT企業経営者の人的ネットワークを生かした誘致活動を新たに展開するなど、立地促進の取組を強化してまいります。 また、東京一極集中の是正に向けては、法人税額控除の拡充など、企業移転を促すためのインセンティブの見直しを国に求めているところであり、引き続き、全国知事会等を通じて強く要望してまいります。 次に、自治体間の格差是正に向けた財源の偏在是正についてでありますが、一昨年国に対して要望を行った結果、令和2年度の地方交付税の算定において創設されました地域社会再生事業費は、地方法人課税の偏在是正措置による財源を活用し、全国平均を上回って人口が減少している団体等へ割増しして配分される算定方法となっていることから、自治体間の財政力格差の是正につながっております。 制約の多い地方財政制度の中で、地方がそれぞれの地域の実情を踏まえた必要な施策を展開していくためには、地方交付税制度がその本来の機能である財源調整の役割を果たすことが不可欠であることから、今後とも、必要な行政サービスを確実に提供できるよう、引き続き、様々な機会を捉えて地域の実情を国に対して訴えてまいりたいと考えております。 次に、必要医師数の確保等についてでありますが、県では、令和4年度の医学部地域枠の新設・拡大を行うほか、臨床研修医の確保に向けて、研修病院における魅力向上の取組に加え、県独自の研修コース創設などにより、今年度のマッチ者は、昨年度より22名増加の120名となりました。 しかしながら、必要医師数の確保は道半ばであると考えており、さらなる地域枠の拡大や臨床研修医の確保などの取組を強化することで、医師不足の解決に取り組んでまいります。 地域枠の拡大に当たっては、修学資金貸与に伴う多額の財政負担などの課題があることから、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会などを活用し、国に対して、地域医療介護総合確保基金の重点的な配分を求めてまいります。 また、専攻医など若手医師は都市部に集中していることから、議員御指摘のとおり、専門研修における都市部の定員へのシーリングの徹底など、実効性のある偏在対策につながる抜本的な制度改革の実現について、国に強く働きかけてまいります。 次に、交通インフラの整備についてでありますが、議員御指摘のとおり、分散型社会の形成に向けては、地方間の交通インフラ整備が必要であると考えています。 例えば、航空路においては、トキエアが新たに新潟と4地区を結ぼうとしており、羽越新幹線においては、関係6県が費用対効果も取りまとめながら、整備に必要な調査の早期実施を国に要望してきたところです。 また、高速道路においては、広域道路ネットワークの形成に向け、ミッシングリンクの解消や暫定2車線区間の4車線化を国に要望しており、磐越自動車道においては、3年連続で4車線化事業が採択されるなど順調に整備が進んでいるところです。 県といたしましては、引き続き、地方間の交通インフラの整備促進に積極的に取り組んでまいります。 次に、産業政策についてお答えいたします。 まず、本県産業の在り方と取組方針についてでありますが、本県には、各地に多様な産業が集積し、また、独自の技術により高い競争力を持つ企業が多数存在しています。 こうした本県の強みを生かしながら、デジタル化の進展や脱炭素社会への転換、地方分散の流れなどの環境変化に対応し、新たな投資やイノベーションを誘発する環境が整えられ、稼ぐ企業が次々と生まれてくるような、活力と元気のある本県産業を実現すべきと考えています。 県といたしましては、県内産業のデジタル化やIT産業の誘致・集積を進めるとともに、再生可能・次世代エネルギーの拠点化の推進、起業・創業や新事業展開など意欲ある企業の挑戦や成長分野への参入を後押しすることで、本県産業全体の付加価値の向上につなげてまいります。 次に、工業技術総合研究所による技術支援の拡充についてでありますが、工業技術総合研究所は、試験・分析や研究開発等を通じて、技術の高度化や競争力の強化などを支援する機関であり、これまでも、デジタル技術を活用した新たなものづくりの研究開発など、支援機能の充実に努めてまいりました。 また、新年度には、外部有識者の意見もお聞きしながら、同研究所の中長期的な技術支援の在り方について検討することとしており、引き続き、社会経済環境の変化や県内企業のニーズを踏まえながら、機能の整備・充実に取り組んでまいります。 次に、成長産業分野への異業種参入支援についてでありますが、県といたしましては、市場の成長が期待される分野として航空機や次世代自動車産業などを掲げ、これまで、様々な業種の企業が参画する協議会等を運営し、企業間ネットワークを構築するとともに、商談会への出展や技術開発の支援等を通じて、県内企業の新分野への参入促進に取り組んでまいりました。 引き続き、産業構造の変化や企業ニーズを的確に把握し、成長が見込まれる新分野への進出を目指す企業を支援してまいります。 次に、大学間連携等による理工系人材の育成・確保についてでありますが、県内の工学系大学では、複数の専門的分野を総合的に履修することができる教育プログラムを設けるなど、幅広く工学系分野を習得するための取組が進められています。 一方で、県内大学は小規模な大学が多く、各大学の強みを生かしながら、大学間連携により幅広い分野の知識を習得することができる環境を整備することも、企業が求める理工系人材の育成につながるものと考えております。 県といたしましては、大学間連携による共同プログラムの開発等を支援するとともに、新たにデジタル化をテーマとした産学官連携のモデル事業を実施することとしており、その中で理工系人材の育成を一層促進してまいりたいと思います。 次に、IT関連の産学官連携拠点の充実についてでありますが、議員御指摘のとおり、県では、IT企業の集積と、企業や関係機関との交流や協業の促進に向けて、民間事業者が行うコワーキングスペースなどの拠点整備を支援してきたところであり、こうした取組により、本県へ進出したIT企業と市町村、大学等との連携が生まれつつあります。 県といたしましては、このような連携の場からイノベーションが数多く生み出されるよう、にいがた産業創造機構とも連携をして、研究開発やデジタル人材の育成等の産学官連携の取組を支援してまいります。 次に、防災産業の可能性の発信についてでありますが、防災産業は、製造、物流、ITなど幅広い業種に関わり、裾野が広いことから、全体の市場規模等を定量的に把握することは難しい面もありますが、民間シンクタンク等の調査においても、防災食など個別の分野では、昨今の防災意識の高まりもあって、市場規模が年々拡大しており、産業としての将来性は高いと認識しております。 県といたしましては、本県のノウハウや知見を生かした、個別の商品や技術などに加え、今後成長が期待される新潟発のビジネスプロジェクト等についても、様々な機会を捉えて県内外に情報発信し、本県の防災産業の地位と優位性を確立してまいりたいと考えております。 次に、防災関連製品等の普及の基盤となる仕組みについてでありますが、防災に関連する製品やサービスの市場を拡大させていくためには、議員御指摘のとおり、性能の規格・標準化や有用性の検証等に取り組むことも有効であると考えております。 本県においても、健康ビジネス協議会が、災害食の国際規格化を目指すなど、防災産業プラットフォームに参画する企業や団体、研究機関等がそれぞれの技術や専門性を生かした取組を進めているところです。 県といたしましては、プラットフォームの活動を通じて、これらの取組を活性化するとともに、積極的に情報発信することにより、防災意識の醸成と、関連する製品・サービスの認知度向上につなげてまいりたいと考えております。 次に、農林水産業についてお答えをいたします。 まず、米の生産コストの削減についてでありますが、農業者が稲作所得を確保し、経営を継続・発展させていくためには、輸出用米や加工用米への転換を促進する視点も含め、生産コストの削減は重要な課題の一つと認識しています。 県といたしましては、国が示している生産コスト目標を一つの目安に、これまでの多収性品種や低コスト技術の普及などに加え、作業の自動化やデジタル化などのスマート農業を一層進めることで、さらなる低コスト生産を推進してまいります。 次に、新規就農者の確保・定着についてでありますが、本県農業が持続的に発展するためには、新規就農者を確保し、定着させていくことが重要であり、雇用の受皿となる農業法人等の経営基盤を強化するとともに、働きやすい環境を整えていくことが必要と考えております。 このため、県といたしましては、他産業並みの所得が確保できるよう、農地集積や多角化・複合化などの取組を支援し、農業法人等の経営基盤の強化を図ってまいります。 加えて、各種保険や休暇制度などの就労環境の整備や、省力化・軽労化など働き方改革にもつながるスマート農業技術の導入を推進し、就業先として若者などに魅力ある農業法人等を育成することで、本県農業を担う人材の確保を進めてまいりたいと考えております。 次に、漁業者の所得向上に向けた漁港や港湾などの県有施設の柔軟な活用についてでありますが、水産資源が限られる中、漁業者が所得を確保していくためには、六次産業化により県産水産物の付加価値を高めていくことが重要であり、議員御指摘のとおり、県有施設を活用し、直売所などを運営することも、所得向上につながる一つの手段であると認識しております。 このため、県といたしましては、施設本来の機能を妨げないことや、安全性が確保されることなどを勘案した上で、県有施設の柔軟な活用を後押ししてまいりたいと考えております。 また、現在、策定を進めている新潟県水産振興戦略に基づき、県内主要産地を中心に、漁業者と飲食・観光等に関わる事業者との連携によるプロジェクト活動を展開し、県産水産物の付加価値向上の取組を推進してまいります。 次に、安全・安心についてお答えをいたします。 交通安全対策の総合的な推進についてでありますが、県及び県警察では、これまでも、交通安全対策基本法に基づき5年ごとに策定している県交通安全計画により、交通安全施設や道路標識等の整備、交通指導取締り及び県民の交通安全意識を高める広報啓発など、ハード、ソフトの両面から、交通安全対策を進めてきたところであります。 その効果等により、議員御指摘のとおり、本県における交通事故発生件数及び負傷者数は16年連続で減少してきたところでありますが、これをさらに減少させていく必要があると考えております。 県といたしましては、県民の安全・安心の確保に向け、引き続き県警察及び関係機関・団体と連携しながら、交通安全対策を総合的に推進してまいります。   〔知事政策局長小岩徹郎君登壇〕 ◎知事政策局長(小岩徹郎君) お答え申し上げます。 人口減少問題に対する新年度の取組についてでありますが、人と企業の地方分散の流れを的確に捉え、選ばれる新潟とするため、官民一体となった取組と戦略的な情報発信が重要と考えております。 そのため、社会減対策として、県内企業の採用力向上に向けた支援や、官民連携による県内就職促進のプロジェクトを展開するほか、ターゲット像に応じた戦略的プロモーションの実施などにより、若者のU・Iターンを促進してまいります。 自然減対策としては、経済団体・企業等と連携した若者の結婚支援のほか、地域で子育て支援に取り組む団体等への支援などを通じて、社会全体で子育てを支える環境づくりを進めてまいります。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 実効性のある避難の確保についてでありますが、これまでも、市町村が適時適切に避難情報を発令できるよう、気象台などと連携し、会議や研修等の機会を通じた支援を行っているほか、災害時には、必要に応じ、ホットラインによる助言等も行っているところです。 また、住民の皆様が、スマートフォン上で手軽に地域のハザード情報を確認できる防災アプリ、新潟県防災ナビの運用を令和元年度から開始したところであり、令和4年度からは、この防災ナビを活用した小・中・高等学校などでの出前講座も行うこととし、より一層、地域のハザード情報の理解促進に取り組んでまいります。 さらに、地域の防災活動の核となる防災リーダーに指導・助言を行う防災シニアリーダーの養成を昨年度から開始しており、適切な避難行動が地域に普及・定着するよう市町村と共に取り組んでいるところです。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) 2点についてお答えします。 県内食品製造企業と生産者との連携等についてでありますが、県では、新潟米基本戦略に基づき、需要に応じた米作りを推進しており、県産加工用米等に対する県内食品製造企業からの需要に応えられるよう、生産者側へ需要動向の情報を提供するとともに、複数年契約や、県産米を活用した新商品開発の取組などを支援してきたところです。今後も引き続き、食品製造企業と生産者の双方の結びつきを強化してまいりたいと考えております。 また、加工用米の生産拡大に向けた新たな支援策として、令和4年度の産地交付金において、低コスト技術の実施等による安定生産の取組への支援を拡充したところです。 次に、施設園芸の拡大に向けた企業の資本力の活用についてでありますが、企業からの資本提供は、出資金自体の活用に加え、一般的には、自己資本の増強により対外的な信用力が向上し、融資を受けやすくなる面があり、施設園芸の導入など農業経営に係る資金調達の手段の一つとなり得るものと考えております。 また、全国に販売網を持つ大手企業等が、地域との信頼関係の下で、出資と併せて農業経営に参画する場合には、県産農産物の販路拡大といった波及効果も期待できると考えております。 県といたしましては、企業の資本力の活用も含め、農業経営に係る資金調達の相談があった場合には、丁寧に対応してまいりたいと考えております。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 県管理河川の洪水浸水想定区域図の作成状況についてでありますが、本県では、安野川などを含む145河川の区域図を公表しており、今年度末までに約30河川を追加公表する予定です。 また、令和3年の水防法改正により、作成対象となる小規模河川が拡大されたことを受け、現在、新たに約240河川で作成を進めており、このほかにも作成する河川を順次追加してまいります。   〔交通政策局長佐瀬浩市君登壇〕 ◎交通政策局長(佐瀬浩市君) お答えします。 地域交通の確保に向けた取組についてでありますが、本県の地域交通は、人口減少や新型コロナウイルス感染症の影響等により、事業者の独立採算を前提とした運行の維持が限界に来ている一方で、地域に住み続けていくには、議員御指摘のとおり、地域の交通資源の有効活用も含め、誰もが容易に移動できる交通手段の確保がより一層必要になっていると認識しております。 このため、新年度において、新しいモビリティサービスとしての自動運転やMaaS導入の実証支援を拡充するとともに、新たに、市町村や事業者と連携したタクシーの定額運賃の試行事業や地域の交通資源の有効活用に向けた調査を行うこととしております。   〔警察本部長村田達哉君登壇〕 ◎警察本部長(村田達哉君) 3点についてお答えいたします。 防犯ボランティア活動の活性化に向けた取組の強化についてでありますが、議員御指摘のとおり、防犯ボランティア活動は地域防犯力の向上に大変有効であると認識しており、県警察では、こうした活動を行う団体に対し、防犯活動のノウハウや地域の犯罪発生状況等の情報提供を行うほか、合同でパトロールを実施するなどの連携を行っているところです。 また、防犯ボランティア活動の周知を図る広報として、県警ホームページで紹介するなどしております。 さらに今後は、団体間の意見交換の場を積極的に設けるなど、防犯ボランティア活動の活性化に向けた支援を一層強化してまいります。 次に、横断歩行者の安全確保に向けた取組についてでありますが、議員御指摘の日本自動車連盟が行った調査結果は承知しておりますが、県警察といたしましても、横断歩行者の安全確保に向けた取組の強化が重要であると認識しております。 県警察では、これまでも横断歩行者妨害違反等の指導取締りやオレンジカードによる歩行者への直接指導などにより、横断歩行者の安全確保に向けて取り組んでまいりましたが、昨年から、歩行者が横断する意思を伝える動作を、渡るよサインと名づけて、広報用動画の活用やリーフレットの配布等により周知を図るなど、取組を強化しているところです。 また、先月から新たに、横断歩行者を守ります宣言をしていただける県内企業等を募り、独自の横断歩行者を守る活動を推進していただくという施策を実施しており、今後とも工夫を凝らして取り組んでまいりたいと考えております。 次に、道路標識や道路標示の長期補修計画についてでありますが、県警察では、道路標識や道路標示について順次点検し、老朽化や摩耗状況のデータベース化を進めているところであり、そのデータ分析による基本的なメンテナンスサイクルを設定して、計画的な補修に努めてまいりたいと考えています。 ○議長(佐藤純君) 飯野晋君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) これにて一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) お諮りいたします。 議案審査等のため、明3月4日、3月7日から3月11日まで、3月14日及び3月15日の8日間、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、3月5日、3月6日、3月12日及び3月13日は、休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) 本日の議事日程は終了いたしました。 次会は、3月16日午後1時から開くことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 △午後4時12分散会...